ついに!ディカプリオ、悲願のオスカー初受賞!
第88回アカデミー賞
現地時間28日、第88回アカデミー賞授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、映画『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオ(41)が主演男優賞を受賞した。『ギルバート・グレイプ』(1993)で助演男優賞、『アビエイター』(2004)、『ブラッド・ダイヤモンド』(2006)、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)で主演男優賞にノミネートされるも無冠だったディカプリオが、初ノミネートから22年。5度目の男優賞ノミネートでついに悲願のオスカー初受賞を果たした。
スタンディングオベーションで迎えられ、「皆さま、本当にありがとうございます」と青い目を輝かせたディカプリオ。「『レヴェナント』は信じがたいキャスト、そしてスタッフの努力の成果です」とアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、共演のトム・ハーディをはじめとしたチームに感謝すると、「『レヴェナント』は人間と自然界の関係を描いたものです。2015年、歴史上気温が最も高くなりました。南極の方まで行かなければ雪もなかった。気候変動は実際に起きています。これは最も切迫した人類に対する危機です」と地球のために行動することを呼びかけ、大喝采を浴びた。
ディカプリオが『レヴェナント:蘇えりし者』(監督は第87回アカデミー賞最多4冠『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・G・イニャリトゥ)で演じたのは、アメリカ開拓時代、厳しい冬の自然に加え先住民に命を狙われるという過酷な環境で、ガイド役としてハンターの一団と狩猟の旅に出たヒュー・グラス。彼は一人、見張りに出たところを熊に襲われ、見るも無残な瀕死の状態で仲間たちに発見される。動けず意識もほとんどないグラスを連れて山越えをすることは不可能で、彼を疎ましく思っていたフィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、同行していた先住民の血を引くグラスの息子を殺害した上、グラス自身も穴に埋めて置き去りにしてしまう……。
本作で描かれるのは、最愛の息子を殺したフィッツジェラルドへの復讐心のみを胸に穴から這い出て荒野を進むグラスの姿だ。ディカプリオは上映時間2時間37分のほとんどをセリフなしで、グラスの精神の旅でもあるこのサバイバルの道程をうめき声、表情、ボディーランゲージのみで見事なまでに表現している。自然光のみを使うことにこだわったロケは9か月に及び、凍てつく川に流され、木の根を食べ、死んだ馬の体内で眠り、格闘シーンでは本当に鼻を折るほどのめり込んだディカプリオ。彼はついに当代一流の俳優としての評価を手に入れた。(編集部・市川遥)
「生中継! 第88回アカデミー賞授賞式」は2月29日午前9時よりWOWOWプライムで放送中