岩田剛典、男泣き!監督が手紙で明かした不器用な姿
岩田剛典(EXILE /三代目J Soul Brothers)が10日、都内で行われた映画『去年の冬、きみと別れ』の初日舞台あいさつに登壇し、瀧本智行監督からのサプライズ手紙に男泣きした。この日は、山本美月、斎藤工、浅見れいな、土村芳、北村一輝も出席した。
芥川賞作家・中村文則の同名小説を実写映画化した本作は、ルポライターの耶雲恭介(岩田)が、天才カメラマンの木原坂雄大(斎藤)が容疑者とされる、盲目の美女が巻き込まれた謎の殺人事件の真相を追ううちに、抜けることのない深みにはまっていくさまを描いたサスペンス。
映画単独初主演となった岩田は「こうして初日を迎えることができて万感の思いです。キャスト・スタッフ一丸となって作り上げた渾身の作品を、今日からスタートということでどんどん盛り上げていきたい」と笑顔であいさつ。また、本作の予測不可能な展開について「監督だけがこの作品の設計図を頭の中で描いていた」と明かし、「僕はそれに(役を)ヒットさせていくしかなかった」と撮影時の苦労を吐露した。
その後、MCが瀧本監督の手紙を代読することに。そこには「あなたはスマートな見かけによらず、案外不器用な人です。クランクイン前から、本読み、リハーサル、カメラテスト、何度も芝居の稽古を繰り返しました。器用な役者ならすぐにこなすことにも、あなたは時間がかかりました」と知られざる岩田の姿とともに、「きっとあなたは人知れずプレッシャーと戦いながらもがき、あがき、苦しんだと思います。一つ一つの台詞、仕草、なにより恭介役を自分のものにしようと愚直に誠実にむき合っていたと思います」と思いやる言葉がつづられており、岩田は瞳を潤ませながら耳を傾けた。
そして、撮影を進める中で次第に顔つきが変わり、オーラをまとうようになった岩田に心揺さぶられたことを告白した瀧本監督は、人より時間をかけたからこそ、深く役を理解し、岩田にしか演じられない魅力的な主人公を作り上げたことをたたえた。さらに、岩田を見ていると、駆け出しの助監督時代に大先輩からもらった「器用な奴はすぐに答えにたどり着く。でも不器用な奴しか、その先にはたどり着けない」という言葉を思い出したことも打ち明け、「今後も愚直にひた向きにもがき続けてください。その先に向かって。お疲れさま。ありがとう」とねぎらった。
感極まり、思わず流れ落ちる涙を拭う岩田は、「うれしいです」と一言。続けて、「瀧本監督と一緒にやれてよかったです」となんとか声を絞り出すが、その後が続かず「いやぁ、まいったな」と照れ笑い。しかし、気を取り直すと「また監督といつかご一緒できるまで、精一杯芸を磨いて、役者として成長した姿を見せたいとあらためて感じました」と意気込み、「本当にありがとうございました」と頭を下げていた。(取材:錦怜那)
映画『去年の冬、きみと別れ』は全国公開中