カンヌで是枝監督『万引き家族』にスタンディングオベーション!リリー、安藤サクラら感激
第71回カンヌ国際映画祭
是枝裕和監督の新作『万引き家族』が現地時間13日夜、第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で公式上映され、是枝監督と、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、城桧吏(じょう・かいり)、佐々木みゆというキャスト6名がレッドカーペットを歩いた。上映後には詰めかけた観客から数分間にわたって熱心なスタンディングオベーションが贈られ、是枝監督は「あんなに長く拍手をいただけて……ほっとしています。客席との一体感のあるいい上映でした」と充実した表情だった。
『万引き家族』は、さまざまな家族の形を描き続けてきた是枝監督が、この10年間考え続けてきたことを全部込めたと語る渾身の一作。死んだ親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得て、犯罪でしかつながれなかったある家族の姿から“本当の絆”とは何かを問う人間ドラマだ。
父役のリリーは「最後にいただいた拍手は、お付き合いではなく、本当に思いのこもったものというのが観客の皆さんの表情でわかりました。すごくいい経験をさせていただきました」と感激。これが初めてのカンヌとなった母役の安藤は、自身の母親(エッセイストの安藤和津)を連れてきたといい、「“いつか誰かにカンヌに連れて行ってもらうこと”というのが母のかねてからの夢だったんです。今日は母の日ですし、親孝行したろっと思って。やっと母の夢をかなえることができてうれしかったです」とほほ笑んだ。
是枝監督にとって、本作は実に5度目のカンヌコンペ出品作(『誰も知らない』では主演の柳楽優弥に最優秀男優賞をもたらし、『そして父になる』では審査員賞を受賞)。受賞結果は、映画祭最終日の19日に発表される。(編集部・市川遥)
映画『万引き家族』は6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開