『この世界の片隅に』別バージョン、公開延期へ
女優ののんが声優を務めるアニメーション映画『この世界の片隅に』に約30分の新規映像を追加する『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開が延期される。19日、『この世界の片隅に』製作委員会より発表された。当初、今年12月の公開を予定していたが、現在2019年中の公開に向けて鋭意製作中だという。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、主人公すず(声:のん)と、すずが嫁ぎ先の町で初めて出会う同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソードを中心に制作されてきた。しかし、想定していた以上に製作時間を要し、完成までに数か月単位での期間が必要になることが判明。進行状況について検討を重ねた結果、公開時期の延期が決定したとしている。
製作委員会による公表文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
<公開延期のお知らせ>
劇場アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、2018年12月公開に向け制作を続けて参りましたが、当初の想定以上に制作に時間を要しており、本編完成までには数か月単位での期間が必要になることが判明しました。
製作委員会としては、良質な作品をお届けすることでお客様のご期待に応えたいという考えから、公開時期の延期を決断するに至りました。現在、2019年中の公開に向けてスタッフ一同、鋭意制作中です。
公開を心待ちにされているファンの皆様には謹んでお詫び申し上げますとともに、より魅力を増して公開される『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を楽しみにお待ちいただけるようお願い申し上げます。
2018「この世界の片隅に」製作委員会
■『この世界の片隅に』
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦禍にのまれ大切なものを失いながらも、前を向いていく女性・すずを描いた長編アニメーション映画。2016年11月12日に公開されたのち口コミでロングランヒットを記録し、ソフト発売、配信後も700日以上にわたって上映されている。2016年度のキネマ旬報ベストテンでは、アニメでは『となりのトトロ』以来28年ぶりに日本映画第一位に選出され、日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞受賞のほか、数々の賞を受賞。翌年にはアヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門審査員賞を受賞し、世界34か国で劇場公開された。監督は、『マイマイ新子と千年の魔法』(2009)などの片渕須直。