『トイ・ストーリー4』なぜ“完ぺきな結末”に続編?
ディズニー/ピクサーの大人気シリーズ最新作『トイ・ストーリー4』のマーク・ニールセン(プロデューサー)とジョシュ・クーリー監督が取材に応じ、ファン待望の本作について語った。以下、前作の結末についての記述あり。
前作『トイ・ストーリー3』で新たな持ち主ボニーの家に移ったウッディたちが、ボニーが幼稚園の工作で作ったオモチャ、フォーキーが逃げ出してしまったことから、新たな冒険の旅に出る本作。自分のことをゴミだと思っているフォーキーをはじめとする新キャラクターのほか、第1・2作でウッディと心を寄せ合う存在だった羊飼い人形のボー・ピープも大活躍する。
2010年に公開された前作は、第83回アカデミー賞で長編アニメ映画賞と歌曲賞に輝いたほか、アニメーション作品ながら作品賞にもノミネート。ウッディやバズたちオモチャと、幼いころからずっと一緒だった持ち主アンディとの別れを描いた感動のエンディングは“完ぺきな結末”として、今でも語り継がれている。
プロデューサーのマークは「『トイ・ストーリー4』のアイデアを出したのは、第1作からシリーズに携わってきた脚本・製作総指揮のアンドリュー・スタントンだったんだ」と明かす。「ウッディとアンディの物語は3で終わったけど、4ではウッディが新たな子供のもとで、一番のお気に入りではなくなってしまい、人生の目的をどのように見つけていくかというのが、このアイデアの核となる部分だったんだ。ボーが再登場することによって、ウッディがその目的を見つけるのを助けるというアイデアもね」。
さらに「実際にアンドリューがこれを思いついたのは『トイ・ストーリー3』を作っているときだったんだけど、彼は秘密にして誰にも言わなかったんだ。それから3が終わって3年くらいたって、リー・アンクリッチ、ピート・ドクター、ジョン・ラセターら他の製作陣に話したところ、みんなこれはいいアイデアだからやるべきだとなったんだ」とマーク。
「ウッディは全く新しい環境に置かれることで、自分の目的は何なのかということを考えさせられることになる。それから、われわれはウッディをそれまでいたボニーの部屋から外に出すことを考えた。ウッディにとってこれはチャレンジであり、大きな変化でもある。このアイデアはすごく面白いんじゃないか、それをやることによって、今まで3で完結だと思っていた人に対しても、『トイ・ストーリー4』が本当の完結だって思わせようと思ったんだ」。
一方、『インサイド・ヘッド』のその後を描いた短編「ライリーの初デート?」などを手掛けた後に、本作のメガホンを任されることになったクーリー監督は「ファンにとっても、わたしにとっても、わたしの子供たちにとっても、みんなにとって大切な映画だから、眠れない夜をたくさん過ごしたよ」と大きなプレッシャーを明かしていたが、本作で描かれる新たな物語は、再び多くの人に感動をもたらすだろう。(取材・文:編集部・中山雄一朗)
映画『トイ・ストーリー4』は7月12日より全国公開