コン・リー&オダギリジョーも登場!ロウ・イエ監督作がベネチアで会見
第76回ベネチア国際映画祭
第76回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている映画『サタデー・フィクション』(2020年公開)の公式記者会見が現地時間4日にベネチアで行われ、『天安門、恋人たち』などのロウ・イエ監督が主演のコン・リーやオダギリジョーらとともに出席。キャスト陣への感謝の思いとともにロウ監督が作品について語った。
本作は太平洋戦争が勃発する直前の上海を舞台にした愛と謀略の物語。ディズニーによる名作アニメーションの実写版『ムーラン(原題) / Mulan』にも出演する中国を代表する女優コンが、諜報員という裏の顔を持つ女優の主人公を熱演しており、日本からはオダギリ、中島歩も参加した。
世界各国の諜報員が暗躍していた頃の魔都・上海が舞台となっていることから、全編が白黒で映し出される今作には中国語が中心になりつつもフランス語、英語、日本語のセリフが飛び交う。
撮影中や撮影終了後も言語に関するサポートをかなり受けたというロウ監督は「撮影が終わってからの編集作業の段階で、映画の中にある異なる言語のバランスの取り方の難しさを痛感しました。しかし、最後はバランスを取ることができました」と話す。
「それは監督一人で成し得ることではありませんでした。バランスを取るためには、セットの中などでも他の共演者と語らうことができるキャストが必要です。作品に参加してくれた素晴らしいキャストのみなさんのおかげです」と伝えたロウ監督は、会見の端々で国境を越えて集ったキャスト陣に感謝していた。
様々な思惑が展開されるストーリーの中でも、コンが演じた主人公は特に「複雑さ」を持っている。コンは会見で「脚本を読んだ時、とてもチャレンジングなキャラクターだと思いました。脚本を読むのに一週間かかりました」と明かす。そして主人公が持つ「複雑さ」を理解するのをロウ監督が助けてくれたと振り返り、「様々な側面を出すキャラクターで女性らしさを出すシーンもあり、そこで彼女は自分の中の愛や優しさを表現しています」と紹介した。
今回で4回目のベネチア映画祭参加となったコンは「この素晴らしく国際的なチームと一緒に仕事ができたことを嬉しく思います。ロウ監督のおかげで、それぞれが自分自身をフルに表現できたと思う」とコメントした。
監督作『ある船頭の話』(9月13日公開)が今年のベネチア映画祭の「ベニス・デイズ」部門に出品されているオダギリも「ロウ・イエ監督の作品に参加できてとても光栄。ベネチアに連れてきてもらって幸せです」とし、学生の頃からロウ監督のファンだという中島も監督への感謝の言葉を口にしていた。(編集部・海江田宗)