笑福亭鶴瓶、バカヤロー総理・吉田茂に テレ東SPドラマで生田斗真と共演
落語家の笑福亭鶴瓶が、2020年にテレビ東京の開局55周年特別企画として放送されるスペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」で第45・48~51代内閣総理大臣・吉田茂を演じることが25日、同局より発表された(放送日時未定)。吉田が戦後の日本の独立、復興に向けて外交に尽力するさまを、娘・和子の視点で描く物語で、吉田の腹心・白洲次郎を生田斗真が演じる。本作で吉田に成り切った鶴瓶は、「カメラマンが見せてきた写真を見て『吉田茂は確かにこんな感じやね』と話してたら、『これ鶴瓶さんですよ』って言われて、自分でも (あまりにそっくりで「えーーー」ってなって。ヨメさんにも吉田茂さんが降りてきたんじゃないかって言われました」とコメントを寄せている。
吉田茂と言えば、1953年3月の衆議院解散、俗にいう「バカヤロー解散」で知られる伝説的首相。本作は、吉田の娘である麻生和子の著書『父 吉田茂』(新潮文庫刊)を原案に、1945年の終戦後、連合国軍に占領され混乱を極めた日本の独立に向けて、米最高司令軍マッカーサーらと粘り強く交渉を続けた吉田の歩みを追う。演出を、映画『空母いぶき』(2019)、『Fukushima 50』(2020年3月6日公開)などの若松節朗監督が務める。
鶴瓶にとって、テレ東ドラマの主演は初。10年ぶりの主演映画『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(公開中)では役づくりのため7キロ減量に挑んだが、本作でも人たらしとも言われた吉田に外見、内面共になり切り「演じれば演じるほど吉田茂を理解していきました。年を取ると権力にしがみつくようになっていくんですけど、それによって晩年を汚すという部分が、人間味があって更に面白いなと。人間の業を思わせてくれるのがとても良いですね」と撮影を振り返る。長ゼリフが多く、特に苦戦したのは標準語のイントネーションで、共演の生田に助けられたという。
「台本を頂いた時はどうしようかなと思って。英語は丸覚えでどうにかなったんですけど、大変だったのは標準語。全部覚えてきてんねんけど、一カ所違うといわれたら、どうすればいいのかわからなくなってしもうたりして。だから(生田)斗真がおってほんまによかったですよ。監督も秋田の人ですからね、何か直されても不本意なんですけど、斗真に言ってもらったら聞けるんです(笑)。あと収録で大変だったのは眼鏡。鼻眼鏡だから喋ってる時に落ちそうになるんですよ。こんなに鼻先に気を使って、アシカの気持ちがわかりました(笑)」
一方、今年は大河「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」や主演ドラマ「俺の話は長い」(日本テレビ系・放送中)などで活躍する生田は、本作がテレ東ドラマ初出演。年の離れた吉田と友情のような関係を育んでいく腹心を演じる。生田は、鶴瓶との共演を「平和条約の受諾演説を白洲が手渡して、それを吉田が読み上げるっていうシーンを撮ったんですけど、すごかったですね 。人のお芝居を見てここまで心震えたことがあっただろうかっていうくらい、感動して衝撃でした」と振り返っている。(編集部・石井百合子)
テレビ東京開局55周年特別企画スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」は2020年、テレビ東京系で放送