宮沢りえ「苦しかった」15歳のデビュー当時
女優の宮沢りえが13日、都内・TOHOシネマズ日比谷で行われたアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』初日舞台あいさつに出席。宮沢は1988年に公開された実写映画『ぼくらの七日間戦争』でスクリーンデビューを果たしたが「当時は演技に対する苦手意識と劣等感で苦しかった」と振り返った。イベントには声優を務めた北村匠海(鈴原守役)、芳根京子(千代野綾役)、村野佑太監督も登壇した。
本作は、シリーズ累計発行部数2,000万部を突破し、映画やゲームなどメディアミックスされている宗田理の人気小説をアニメーション映画化。舞台を2020年に移し、高校生たちと大人の七日間の戦いが描かれる。宮沢は、実写版で演じた中山ひとみの30年後を声優として演じている。
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ数々の映画賞に輝き、日本映画界に欠かすことができない活躍を見せる宮沢。そんな彼女の女優デビュー作が『ぼくらの七日間戦争』だ。「15歳でデビューし、その30年後にまさか中山ひとみを演じるとは思わなかった」と同じ役を演じる驚きを明かし、「当時、とても素敵な映画の感想をいただき、この作品がわたしのデビュー作で良かったと思っていました。その感謝を込めて、今回作品に参加させていただきました」と出演の経緯を語る。
撮影当時の思い出を聞かれた宮沢は「もう忘れちゃいましたよ(笑)」とおどけつつも「演技の経験がなかったので撮影に入る前、2泊3日の合宿みたいなことをしたんです。エチュードみたいなことをしたのですが、お芝居に対して苦手意識があったので、苦痛で仕方がなかったのを覚えています」と振り返る。さらに「今でもお芝居に対する劣等感はなくなっていないのですが」と発言し、会場を沸かせると「すごく苦労した思い出があります」と苦笑いを浮かべていた。
しかし、工場のセットが組まれた現場に入ると、たくさんのスタッフがエネルギッシュに映画作りに取り組んでいる姿を目の当たりにし、感じ入ることがあったという宮沢。「できないと思っていた芝居が、皆さんの熱意によってできてきたように感じられたんです。映画の奇跡なんでしょうね。当時は映画作りにも制約がなかったので、次々に激しいシーンの撮影ができる貴重な時間でした。今の映画も、もう少し制約がなければいいんでしょうね」と映画界にとっても良き時代であったことを懐かしんでいるようだった。(磯部正和)