ハリウッド大作に引っ張りだこ!14歳子役の高すぎるプロ意識
映画『ワンダー 君は太陽』『クワイエット・プレイス』などのハリウッド大作に出演し、新作『フォードvsフェラーリ』(公開中)でクリスチャン・ベイルの息子役を務めたノア・ジュープ君がインタビューに応じ、役者としての充実感や今後の展望を語った。
ノア君は、2005年イギリス・ロンドン生まれの14歳。2015年ごろからテレビドラマに出演し、映画『サバービコン 仮面を被った街』(2017)ではマット・デイモンふんする主人公の息子役を好演。公開中の『フォードvsフェラーリ』では、天才ドライバー、ケン・マイルズ(クリスチャン)の息子ピーター・マイルズを演じている。
「キャラクター像を頭に定着させたかった」と話すノア君は、撮影前に監督のジェームズ・マンゴールドと脚本の読み合わせを入念に行うなど、14歳とは思えないほどのプロ意識を持つ。新作で苦労した点について「ピーターと、両親であるケンとモリー(カトリーナ・バルフ)の関係性をどのように表現するのか。あとは、映画の舞台になっている1966年の時代背景・車・カルチャーを理解することが大変だったんだ」と振り返る。
ピーターは、フォード・モーター社からル・マン24時間耐久レースでの勝利を命じられた父ケンを常に支える役どころ。ノア君は、共演時間が長かったクリスチャンについて「くだらないジョークを言い合ったり、本当のお父さんのように接してくれた」と表現。撮影の合間には、クリスチャンが運転の仕方を教えてくれたそうで「現場で車を整備している間に、ギアの変え方や運転のコツを教えてくれたんだ。ちょっとだけドライブもしたし、とってもいい経験だったよ」と笑顔を見せた。
14歳でハリウッド大作に引っ張りだこのノア君。俳優業を通して「新しい自分を見つけられる」と話しており、「毎回違う役を務めることで、まだ見ぬ世界を覗くことができる。自分をさらけ出すことに抵抗がある時もあったけど、自分の新しい一面を発見することでやりがいを感じるんだ」と充実感をにじませる。そんなノア君の活躍について、共演者のマット・デイモンは「本当に素晴らしい役者だ。子役は両親のサポートを受けながら演技をすることが多いが、彼は違う。しっかり者で仕事を楽しんでいるんだ」と太鼓判。マンゴールド監督も「とてもスマートな俳優で、私の指示を的確に理解してパフォーマンスしてくれる。アドバイスすることがないくらい素晴らしいよ」と評価する。
本作に加え、今年公開のノア君出演作には、シャイア・ラブーフが脚本を務める『ハニー・ボーイ(原題)』(2020年日本公開)や、自身の代表作の続編『クワイエット・プレイス PARTII』(5月全国公開)などがある。俳優としての今後について、ノア君は「ずっと前から、ヴィラン(悪役)に興味があるんだ。過去作では心優しい人物を演じさせてもらうことが多かったけど、心のどこかに闇の部分を抱えているようなキャラクターも演じてみたい。マーティン・スコセッシ監督のギャング映画とかとても魅力的だよ!」と楽しそうに語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)