のん主演『私をくいとめて』東京国際映画祭観客賞受賞! 大九明子監督が2度目の受賞
第33回東京国際映画祭
のん主演の映画『私をくいとめて』が第33回東京国際映画祭の観客賞/東京都知事賞を受賞したことが、9日にTOHOシネマズ六本木で行われたクロージングセレモニーの場で発表された。セレモニーには主演ののんと大九明子監督が来場し、喜びのコメントを寄せた。
今年は新型コロナウイルスの影響で、昨年まで実施していた「コンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を1つの部門に統合。「TOKYOプレミア2020」として32本のプログラムが上映された。その全作品を対象に、来場した観客の投票により「観客賞」が選ばれることとなった。
ステージに登壇した安藤裕康チェアマン/フェスティバル・ディレクターが発表したのは、大九監督、のん主演の映画『私をくいとめて』。2017年公開のヒット作『勝手にふるえてろ』に続いて綿矢作品を大九監督が映画化した同作は、のん演じる、脳内の相談役「A」からアドバイスを得ながら生活する30代独身女性・黒田みつ子の不器用な恋を描く。
大九監督にとって、同映画祭での観客賞受賞は『勝手にふるえてろ』に続いて2度目。「わたしとスタッフは観客賞をちょうだいするのは、大変うれしいことに2度目となります。ただ3年前にちょうだいした時とは世界がまったく違っておりまして。この映画祭はまったく違った形になりました」と切り出した大九監督は、オンラインではなく映画館での開催を実現させた本映画祭を称賛しつつも、「まだまだ出歩くことが不安な中でチケットをとっていただき。劇場まで足を運んでいただき。ご覧いただき、点数を入れていただいた。その貴重な一票がわたしたちに賞をいただいたのかなと。いつも以上に感謝の思いがあります。早く一人一人のお客さまとお話をしたり、握手をしたりできる日が来たらと思っております」と謝辞を述べた。
続いてのんが「この度はこのようなすてきな賞をいただいてありがというございます」とあいさつすると、「毎年設けられている賞だと思いますが、今年は唯一の賞ということで、観客の皆さんに応援していただいたということでうれしく思います」と感激の表情。「わたしごとではありますが、わたしはこの作品が何年ぶりかの主演映画ということで、大九監督に呼んでいただいて。心から喜びでいっぱいです」と続け、「映画というのは観客の方に観ていただいて、初めて完成するものだと思います。なので、今回の賞も大切に受け止めたいなと思います。12月18日全国(公開)ということで、観ていただいた皆さんと一緒にこの映画を盛り上げてください。面白いと思った方はSNSや家族にオススメいただけたら」とちゃめっ気たっぷりに呼びかけた。
またこの日は共演者の林遣都から祝福のコメントが寄せられた。「このたびは観客賞受賞の連絡を聞いて、驚いております。本日は残念ながら登壇できませんが、劇場に足を運んで投票してくださった皆さま、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。そして大九監督、おめでとうございます。この作品の細部にちりばめられた監督やスタッフの皆さんのこだわり、そして情熱が多くの人に届いたんだなと思うとうれしい気持ちでいっぱいです。スクリーンから大九組の、あのワクワクする感じを皆さまに味わっていただける日を楽しみにしています」
さらに橋本愛からも「観てくださった皆さまのお力添えに感謝します。この映画も、自分にとっても、映画界全体も、良き未来を作りあげていくために、大きな一歩になったと思っております。何より楽しんでいただけたことが心よりうれしいです。また、大九監督とのんさんに本当におめでとうと言いたいです」とメッセージが寄せられた。(取材・文:壬生智裕)