山崎賢人、俳優としての信念「どんな状況でも諦めない」
俳優の山崎賢人(「崎」は「たつさき」)が13日、内幸町のイイノホールで行われた映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』完成報告会に登壇し、自身の初主演映画『管制塔』(2011)のメガホンを取った三木孝浩監督との再タッグに「ワクワクした」と笑顔を見せた。また、作品のテーマにちなんだ質問では、俳優としての固い信念を明かした。この日は共演者の清原果耶、藤木直人も来場した。
ロバート・A・ハインラインによる名作小説の舞台を日本に移して描き出した本作は、すべてを失った科学者が、1995年から2025年へと時空を超え、大切な人を救うために奔走する姿を追う。SFの古典的傑作小説が原作の本作への出演について、山崎は「僕はすごくSFが好きだったので、楽しみにしていました。しかも三木さんとはデビュー映画(『管制塔』)以来でしたし、信頼できる皆さんと一緒に映画を作ることができる。ワクワクする要素がいっぱいありました」と振り返る。
その言葉に「あの時は初主演作だったんですよね。15歳か16歳くらいだったかな」と懐かしそうな顔を見せた三木監督は、「すごく久しぶりに賢人くんに会ったけど、その間にいろんな主演作を重ねてきて。役者としてたくましくなっているけど、いい意味で青臭いというか。ピュアですれていない感じが、この物語の(主人公の)宗一郎にピッタリだと思いました。今回、すてきに演じてくれました」と満足げな様子で付け加えた。また、「久々にピュアな恋愛をやらせてもらいました」と山崎が語るとおり、本作は時空を超えた純愛模様も描かれる。「(芝居を)やっている時もそうでしたが、完成した作品を観て、恥ずかしかったというか。ピュアな恋愛ものはけっこうやってきたはずなのに、いい意味ですごく恥ずかしかったですね」と山崎は照れくさそうな様子を見せた。
そして作品のテーマにちなみ、「自分が諦めないこと」について質問された山崎は「どんな状況でもオッケーが出るまで諦めないようにしています」と返答。「自分が100%うまくできたと思っても、オッケーにならないことがあると、時にはくじけそうになることもありますが、そこは総合芸術だと考えて。諦めないというのは信念としてやっています。やっぱり(諦めてしまうと)それが作品に残るので、もったいないですからね」と俳優としての信念を語るひと幕もあった。
もともとは2月19日の劇場公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況を受けて、公開が延期されることとなった。それをふまえ、「この作品には本当にいろんな愛が詰まっています。監督とは、レトロでチャーミングで、みんなに愛されるような映画にできたらいいねと話していました。本当にそんな映画になっていると思います。公開は延期となってしまいましたが、このタイトルと同じように、いい扉を開けて公開できる日を楽しみにしてくださったらうれしいです」とメッセージを送った。(取材・文:壬生智裕)