『クワイエット・プレイス』続編でもタッグ!エミリー・ブラントが語る夫との映画作り
世界的な大ヒットとなった『クワイエット・プレイス』の続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が、数度にわたる延期の末にようやくアメリカでも劇場公開され、コロナ禍で上映された作品として初めて、興収1億ドル(約110億円・1ドル110円計算)を突破するヒットとなった。前作に続いて脚本と監督を手がけたジョン・クラシンスキーの手腕はもちろんのこと、子供たちを守ろうと奮闘する母親エヴリン役を務めたエミリー・ブラントの熱演も、成功の大きな要因なのは間違いないだろう。そんな彼女が、撮影の苦労と共に、夫でもあるクラシンスキー監督との共同作業を振り返った。
クラシンスキー監督ともども、続編を作ることに気が進まなかったというエミリーだが、「ジョンがあまりに素晴らしいアイデアを思いついたから、やらざるをえなくなったの。役者としてこの映画に出たいかと自問したら、答えはイエスだった」と制作を決意した理由を明かす。
「続編の難しさは、1作目を繰り返さないといけない……という考えを克服するところにあったと思う。奇跡的な成功だった前作と競争するのではなく、物語の続きとみなして取り組んだの。音を立てたら死ぬ世界を舞台に、ジョンは自由に想像力を働かせることができたし、そのことでとてもエキサイティングなストーリーが完成した」
本作でエヴリンは、生まれたての赤ん坊と息子、聴覚障害を持つ娘を伴って、外の世界に助けを求めに行くことになる。世界観はより広がり、スケール感も恐怖も増した。「この世界で他に生き残っている人たちはいるのか? もしいたとすれば、こんな悲惨な環境において、その人たちは喜んで他人を助けるのか? 私たちはこれまで直面したことがない敵に出会うことになるのよ」。
エヴリンだけではなく、娘リーガン(ミリセント・シモンズ)と息子マーカス(ノア・ジュープ)の成長も本作の重要なポイントとなっており、エミリーは「前作でもそうだったけど、彼らはとてもプロ意識が強くて、演技に対する集中力がすごいの。私は子役と仕事をしているとは思っていない。彼らは本当に素晴らしい共演者だった。とても才能があるし、人間として大好き」と子役たちの仕事ぶりを絶賛していた。
撮影に苦労はつきものだが、なかでも、車を運転するエヴリンを描いたエイリアンの襲撃シーンは特に大変だったという。「ワンカットに挑んだシーンなの。車も人間も本物で、唯一CGなのはクリーチャーだけ。ジョンは『トゥモロー・ワールド』の長回しにインスパイアされて、あのショットを撮ることを夢見てきた。運転は車の上に乗ったスタントドライバーがやってくれていたけど、撮影中、私の命はその人の手中にあったというわけ(笑)」
前作と同じく、夫婦二人三脚で作り上げた本作。エミリーは、他の監督と同じように接するべきだったと反省するほど、クラシンスキー監督と気持ちが通じ合っていたという。「私たちは物事に対する見方が同じなの。好みが全く同じで、好きな映画も、演技への考えも同じ。クリエイティブ面でも歩調が合っているから、彼のアイデアを私は気に入るし、私のアイデアも彼が気に入るのよ」と語っており、最高のコラボレーションで生み出された続編だったようだ。(吉川優子)
映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は6月18日より全国公開