池松壮亮、初の韓国ロケで現地クルーに感謝 オダギリジョーとの飲み会エピソードも
俳優の池松壮亮が3日、テアトル新宿で行われた映画『アジアの天使』の公開記念舞台あいさつに出席し、自身初だったという本作での韓国ロケを振り返った。この日の舞台あいさつには共演者のオダギリジョーと石井監督も登壇した。
池松壮亮&オダギリジョーが韓国ロケを振り返る!舞台あいさつの様子【写真】
本作は、映画『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などの石井裕也監督が日本と韓国のキャストやスタッフと共に撮り上げた人間ドラマ。兄を頼って韓国に渡った主人公と、悩みを抱えながらソウルでタレントとして活動するヒロインの家族の姿を描く。
撮影にあたり、石井監督と連れ立って韓国でロケハンを行うなど、裏方としても深く関わったという池松。「何か特別なことをやったつもりはないです。とにかく脚本が気に入って、この物語を語らないといけないという気持ちになって、そこで自分ができることは全部やりたいと思いました」と振り返る。
スタッフやキャストともよくコミュニケーションをとっていたといい、池松は「無駄な井戸端会議でお互いの顔色を見たりして、ものすごくいい時間だったと思います。どうでもいい意見の中から、みんなの輪がぐるぐるして、真理に辿り着いたりすることもありました」という。
撮影の現場では、スタッフとキャストの95%が韓国人だったというが、「韓国の方はお酒が好き。だから毎日のように飲んでいました。すごい数のビールでした」と撮影の裏話も紹介。最初は飲むことに戸惑いもあったそうで、韓国の俳優に対して「撮影の前に、日本の俳優は真面目だから飲まないなんて言っていたんです。でも、オダギリさんは毎日行っていたらしくて……(笑)」とオダギリに触発されるように自身も飲みに行くようになったとのこと。これにはオダギリも「家に帰るわけでなくてホテルに帰るので、ご飯も食べに行かないといけないし、何かしら飲むでしょう。結果、毎晩飲んでしまった」と笑顔で振り返った。
池松はまた、本作で初めて韓国ロケを経験したという。その際の出来事を「奇跡」と表現し、「この映画があらゆる困難を経て、国と国との関係を超えて結実したこと。それは大きな奇跡でした。当時は日本と韓国の関係もよくないなか、一部のクルーが抜けてしまうなんてこともありました。でも、最終的に日本に興味のある、志の高い方が集まってくれて、作品を作ることができた。そういう人たちに心から感謝したい」と述べた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『アジアの天使』はテアトル新宿ほかにて全国公開中