『最後の決闘裁判』リドリー・スコットの新ミューズ、ジョディ・カマーに注目
リドリー・スコット監督が、フランスで合法的に行われた最後の決闘をテーマに描く歴史大作『最後の決闘裁判』の新たなポスタービジュアルと、ヒロインを務めるジョディ・カマーの場面写真が公開された。『フリー・ガイ』のヒロイン役でも注目を浴びたジョディは、多くの女性が口を閉ざされていた時代に、命をかけて暴行被害を訴えるヒロインを演じている。
ハリウッドきっての名コンビ、マット・デイモンとベン・アフレックが、出世作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997)以来、約24年ぶりに脚本を手掛けた本作。エリック・ジェイガーのノンフィクションを原作に、女性監督のニコール・ホロフセナーも脚本に加わり、14世紀フランスにおける、暴行被害を訴えた女性とその夫、事件の被告ら3人の命を懸けた戦いを、それぞれの視点から映し出す。
14世紀フランスを生きる騎士ジャン・ド・カルージュ役でマット、被告となるカルージュの旧友ジャック・ル・グリ役で『スター・ウォーズ』のアダム・ドライヴァーが出演。ジョディはカルージュの妻マルグリット役を務める。
『フリー・ガイ』では、自我に目覚めたゲームのモブキャラが恋に落ちるヒロインをキュートに演じたジョディだが、本作では、夫の留守中にル・グリに暴行を受けたことを明かし、真実の行方を男同士の生死を賭けた決闘裁判に委ねられるヒロインに挑戦。もし夫が負ければ、自らも偽証の罪で火あぶりの刑を受けるという過酷な役柄に挑んだ。
ジョディは、テレビシリーズ「キリング・イヴ/Killing Eve」で、2019 年のエミー賞と英国アカデミー賞の主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。『フリー・ガイ』では、ゲームと現実の世界で全く異なる表情を見せる女性を演じており、同じ出来事を3者3様の視点で描く、リドリー・スコット版『羅生門』と言うべき『最後の決闘裁判』でも多彩な演技を披露。ワールドプレミアが実施されたベネチア国際映画祭の会見でジョディは「それぞれの視点において、観客がキャラクターの語っていることを本当に信じられるということがとても重要であり、そのように演じることがわたしたちにとっても楽しいことでした。時には頭が少しクラクラにもなりましたよ。3つの異なる視点を、すべて同じ日に撮影することもありましたから」と尋常ではない集中力を要する現場だったことを明かしている。
すでに、スコット監督の次回作『キットバッグ(原題) / Kitbag』でホアキン・フェニックスとの共演も決定しているといい、スコット監督の新たなミューズとしても目が離せない存在だ。(編集部・入倉功一)
映画『最後の決闘裁判』は10月15日より全国公開