『xxxHOLiC』柴咲コウの妖艶で圧倒的な存在感！「スタッフ全員が息をのんだ」
CLAMPの大ヒットコミックを実写映画化する『ホリック xxxHOLiC』で、女優の柴咲コウが“ミセ”の主人・侑子を演じ、妖艶で圧倒的な存在感を放っている。そんな柴咲のキャスティングや撮影現場での様子について、池田史嗣プロデューサーが語った。
『ヘルタースケルター』『Diner ダイナー』の蜷川実花監督がメガホンを取った本作は、人の心の闇に寄り憑くアヤカシが視えることで孤独に生きてきた高校生の四月一日（神木隆之介）が、対価と引き換えにどんな願いもかなえてくれる“ミセ”の主人・侑子（柴咲）に出会ったことから、不思議な運命に足を踏み入れていくさまを描く新体感ビジュアルファンタジー。
侑子はミステリアスで独特な雰囲気を放つキャラクターだ。そのカリスマ性を実写で再現するのは非常にハードルが高いことは想像に難くないが、池田プロデューサーは「侑子さんは非常に難しい役で、ある意味で理屈ではない存在なので、この役をお願いする俳優さんには、圧倒的なオーラや説得力が絶対に必要だと思っていました。脚本に書いてあるセリフを言うだけではない、その存在感も含めて総合的に画面を支配できる女優さんでなければならないと考えていました」と語る。そんな中、制作陣の第一希望として名前があがったのが柴咲。「蜷川監督と柴咲さんとは昔から面識があって、お互いにいつか一緒に仕事をしたいねとずっとおっしゃっていたそうで、それが今回幸せなことに叶いました」とキャスティングを振り返る。
キャスティング時の狙い通り、柴咲の圧倒的な存在感は撮影現場でも感じられたそうで、池田プロデューサーは「柴咲さんご自身は、衣装や美術に助けられたということをおっしゃっていたんですけれども……蜷川組『ホリック xxxHOLiC』の徹底的に作りこまれたセットに煌びやかな衣装を纏った柴咲さんが用意を終えて入って来られた時、スタッフ全員が息をのみました。本当に、この世のものとは思えない美しさと妖しさで。やはりあのオーラは柴咲さんしか持ちえないものだったなあと」と撮影現場の雰囲気を明かす。
「それから監督は柴咲さんのセリフの出し方や声のトーンについて細かく相談して調整し、柴咲さんもしっかり応じていました。生来のオーラによる圧倒的存在感と、確かなお芝居の技術。これこそがアニメにはない、生身の俳優さんと一緒に作る“実写”ならではのクリエイティブだなあと実感したのを覚えています。柴咲さんが撮影現場にいらっしゃる時は良い意味である種の緊張感があって、いつも（ムードメーカーとして）ふざけていた神木さんも心なしか少し大人しかったような気がします（笑）」
柴咲とも声のトーンを相談したように、蜷川監督は声について非常に強いこだわりを持っていた様子。池田プロデューサーいわく「蜷川組の場合、毎回何度もリハーサルするわけではないのですが、読み合わせは必ずやることにしています。キャストの皆さんに台本を読んでもらって、それぞれの声のトーンを一回全部聞いて、頭の中でそのハーモニーを想像してお芝居の調節を考えていく、ということをこれまでのどの作品でもやってきていますね」とのこと。鑑賞の際には、こだわりの詰まったキャスト陣の声にも注目だ。（編集部・吉田唯）
映画『ホリック xxxHOLiC』は公開中