なにわ男子・大西流星『この子は邪悪』に達成感 コンサートとのテンションの差も
大西流星(なにわ男子)が、映画『この子は邪悪』(公開中)の撮影を振り返り、演技の楽しさを実感したことや撮影の裏側などを語った。
本作は、「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017」で、準グランプリを受賞した作品を映画化したもの。過去に一家で交通事故に遭い、心に傷を抱える女子高生・花が、やがて恐ろしいできごとに巻き込まれていく姿を描く。花役を南沙良、花の幼なじみで自分の母親の奇病の原因を探る純役を大西、花の母親の繭子役を桜井ユキ、花の父親で心理療法室を営む司朗役を玉木宏が担う。
単独での映画出演が初となる大西は、劇場での上映に期待を寄せる。「声だったり、ちょっとした吐息だったりも伝わる。目の動き、眉毛のわずかな動き、揺れとか震えも。繊細にやりながら、逆に要らない部分は省きながら」と細かい部分までこわだわった。
役づくりについては、「自分でしっかり役をつくり込んできたというよりは、本読みとかを重ねて、キャストの皆さん、監督さん、スタッフの皆さんと一緒に役へと向き合いながら、『純くんならこうするかな』と考えつつ、撮影をしながら純くんができあがっていきました。意外と楽しく役へと向き合うことができました」と振り返る。
純を演じた感想は、「難しかったですけど、逆に楽しかった。(純は)自分じゃないので、笑いのテンポとかも考えなくていい。自分が毎回思った気持ちのテンポでお芝居することができる。だから新鮮でめちゃくちゃ楽しかったです」と“笑いのテンポ”というワードも飛び出す。
「関西人やからからとかないですけど(笑)。最近、コメディー系の作品をやったからこそ、あらためて『この子は邪悪』の空気感のお芝居も楽しかった」と実感した。「映画でしか伝わらない空気感、芝居の繊細さとかをゆったり演じられたのがすごく好きでした。自分の心を自分で整理したり、長い時間をかけて頭で整理できたり。そういったことがお芝居の中でできるから、楽しかったです。笑いに執着することはあまりないですけど(笑)。でも、新しく発見できた」と気づきもあった。
花役の南との共演については「南さんの方が一歳年下なんですけど、でもそれを感じさせないぐらいの大人。花の落ち着き、というのもあったんです。でも、無邪気に笑ってる姿もあったので、そこは年相応なんだなと安心しながら」と回顧。「この作品を彩ってくれたすてきな俳優さん。引き込まれていくようなお芝居をされる方でした」と称賛する。
司朗役の玉木とは緊迫感のある対峙シーンもあった。「あまり芝居経験が豊富じゃない僕を安心させるような演技をしてくださいました。普通にお話をしてくださり、緊張もほぐれて。でも、お芝居になったら空気をつくってくださる方。こんな優しい俳優さんになってみたいな、と憧れにもなりました」と共演に感動した様子。「玉木さんの大きな背中があるからこそ、あまり恥ずかしがらず気にせずにお芝居ができたんだと思います」とその存在は大きかったという。
また、本作のメガホンを取った片岡翔監督とは撮影時に演技以外の話も。「自分のアイドルとしての活動のことを聞いてくださって。コンサートツアー(「なにわ男子First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん」)が始まる前だったので、『忙しくない?』とか。懐にすんなり入ってきてくださるので話しやすかったです。落ち着いた空気で真剣な話もできました」
撮影とコンサート、どちらも見事に完走した大西。「(映画の)真剣なシーンではいつもより暗めなテンションだったので、コンサートに入るとテンションの上げ下げがあって。難しくはなかったですが、ちょっと差があるなと感じることも。クランクアップしたときは達成感がありましたね」と充実した日々だったことが表情からうかがえる。
終始不穏な空気が漂う本編とは違い、笑顔で語る大西の雰囲気の通り、撮影現場は明るかったそうで、「真夏の撮影だったので、差し入れのアイスを仲良く食べたり。熱中症対策しながら風にあたりながら、セミの音を待ちながらとか(笑)。めちゃくちゃ夏の思い出って感じがします」と無邪気に笑う。
普段のキラキラしたアイドルの姿から一変。謎に迫る純を熱演した大西は、今後については、「もっと暗い役とかやりたいです。めちゃくちゃ元気な子もやりたいし、振り切りたいです! 自分とは違う役たくさんやってみたいです」と目を輝かせていた。(編集部・梅山富美子)