ADVERTISEMENT

村本大輔、亡き父との喧嘩シーン巡り紆余曲折 3年の歩み追ったドキュメンタリー、東京国際映画祭で上映

第35回東京国際映画祭

村本大輔
村本大輔

 お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワー村本大輔の活動を追ったドキュメンタリー映画『アイ アム ア コメディアン』が29日、現在開催中の第35回東京国際映画祭で上映され、村本が日比谷・TOHOシネマズ シャンテで行われた質疑応答イベントに出席した。

【動画】ウーマン村本、レッドカーペットの様子

 『アイ アム ア コメディアン』は、この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画を上映する Nippon Cinema Now 部門に出品。政治的発言を機にテレビ出演が激減した村本大輔の米国でのコメディー修行やコロナ禍の苦悩、家族への想いなど3年間の歩みを追う。壇上には日向史有監督、ウーマンラッシュアワーの相方・中川パラダイスも出席。村本の母も上映に駆けつけ、客席からあいさつをする一幕もあった。

ADVERTISEMENT

 村本は本作の制作過程で父を亡くしたといい、父のシーンを巡るエピソードを紹介。「(劇中)僕とお父さんとの喧嘩のシーンがあるんですけど」と切り出し、「そのシーンを撮影した後、お父さんが亡くなったんです」と回顧。村本は「その(父との)シーンを使われるのが嫌だった」と言い、その理由として「誰かを泣かす材料に使われるのが嫌だったから」と当時の胸の内を明かす。

 当初、日向監督に父との喧嘩シーンを使わないよう求めたという村本。しかし、日向監督がほぼ同時期に父を亡くしていたことを知り、事態は変わる。「ある日、彼が『どうしても使いたい』って言って来て。『いい親子の会話にしか聞こえなかった』と言うんです。実は彼も同じタイミングでお父さんを亡くしていたんです。だから、『自分のお父さんを使うくらい大事に使ってくれるならいいですよ』って言って、彼も『いいですよ』って言ってくれたので、お渡ししました」と、シーンを採用するにあたっての監督とのやり取りを紹介した。

日向史有監督、村本大輔、中川パラダイス

 日向監督も「撮影をさせてくれと頼んで一回も断られたことがない」と村本とのやり取りを回顧。「でも、いつも『お前は俺のことを撮って何に使おうとしているのか』『俺のことをどう見ているのか』ということをずっと話しかけて来た」と村本とのやり取りを述懐。村本も「だって、どう自分のことを見ているのか知りたいじゃないですか。第三者の目から。今回のは、彼の目から見た僕を見せてもらったという感じです」と撮影当時を振り返り、映画制作の過程で監督との間に信頼関係が生まれたことも強調した。

ADVERTISEMENT

 イベント終盤、日向監督は「(中川)パラダイスさんがこの映画についてどう思われているのか知りたい」と中川に感想を求めると、中川は「僕の出番が少なかった」とジョークで返しつつ、「感動しました。めちゃくちゃ面白かった」と絶賛。「映画で2時間にまとめるので、村本のいいところばかりが前面に出すぎているなっていうのはありました。もっと嫌な部分が出ていても面白いなって」と村本へのツッコミも忘れなかったが、「でも、面白かった」と力強く回答。「だって、僕もウルっと来ましたもん」と話して会場を和ませていた。(取材・文:名鹿祥史)

「第35回東京国際映画祭」は11月2日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT