MCU史上最大の下落…『アントマン3』2週目に興収70%ダウン
全米ボックスオフィス考
先週末(2月24日~2月26日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、『アントマン』シリーズ第3弾となる映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が興行収入3,196万4,803ドル(約42億円)で2週連続となる首位に輝いた。ただし前週比は69.9%ダウン。2週目の下落率としては、コロナ禍でディズニープラス プレミア アクセスでも同時配信された『ブラック・ウィドウ』を上回り、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)史上最大となってしまった。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル130円計算)
2週目週末の下落率が70%をマークすると危険信号がともったとみなされることが多いが、Varietyによると、劇場オーナーたちは近年、大作に関しては公開初週の映画鑑賞料金を割り増しにして販売するようになってきているため、動員数で見れば興収ほどの急激な落ち込みがあるわけではないという。またMCU映画に関して言えば、ファンがネタバレを避けようと公開週に劇場に殺到する傾向があることも影響しているといえそうだ。
そして『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のオープニング興収は『アントマン』シリーズ最高となる1億610万9,650ドル(約138億円)であり、2週目の落ち込みを補って余りあるものだった。近年のMCU映画は2週目の興収の下落率が全体的に高くなってきているが、それでもオープニング興収はヒットと言える数字を上げて最終興収も問題のない成績になっている。以前より集客できる層が狭まってきた可能性はあるが、必ず公開週に劇場に足を運んでくれるコアなファンを囲い込めていることは間違いなく、あまり悲観する必要はないのかもしれない。
初登場組では、コカインを食べて凶暴化したクマを描いたコメディーホラー『コカイン・ベア(原題) / Cocaine Bear』が興収2,326万790ドル(約30億円)で2位デビュー。キリスト教系ドラマ『ジーザス・レボリューション(原題) / Jesus Revolution』が興収1,580万2,615ドル(約21億円)で3位デビューだった。(編集部・市川遥)
2月24日~2月26日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(1)『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
2(初)『コカイン・ベア(原題) / Cocaine Bear』
3(初)『ジーザス・レボリューション(原題) / Jesus Revolution』
4(2)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
5(4)『長ぐつをはいたネコと9つの命』
6(3)『マジック・マイク ラストダンス』
7(6)『80フォー・ブレイディ(原題) / 80 for Brady』
8(5)『ノック 終末の訪問者』
9(9)『ミッシング(原題) / Missing』
10(7)『オットーという男』