大泉洋、ミュージカル映画吹替えを“MJ声”で乗り切る 大河&月9終え全集中
俳優の大泉洋が1日、都内で行われた映画『シング・フォー・ミー、ライル』(3月24日公開)の日本語吹替版完成披露舞台あいさつに出席。歌うワニの吹替えを務めた大泉が、昨年夏からトレーニングを重ねたというアフレコや、独特な本国テストを振り返った。
バーナード・ウェーバーによる絵本シリーズ「ワニのライル」をミュージカル化した本作は、奇跡の歌声を持つ一匹のワニと人間の少年が、歌を通して心を通わせていく物語。大泉は日本語吹替版で主人公ライルの声を担当している。
大泉は「去年の夏くらいから、わかりやすく、とても練習というかずっとトレーニングをして挑んだ仕事」だと言い、「こんなに完成が楽しみな仕事も久しぶりでした。出来上がったものを見た時は感無量でした」と感想を述べる。
また、ライル役は「新しい挑戦」だったとも。「歌を歌うのは好きだけど仕事として歌うのはなかなかない。しかもミュージカル映画の吹き替え。やるっきゃないなって思っていました」とオファー時を回顧。だが、その後、アメリカ本国からテストを受けるよう言われ、オファーを受けてからのオーディションに驚いたという。
「本国テストというのがあって、英語で歌ったものでテストを受けて、合格してこの仕事を取ったんです。上手く歌えばいいというものでもなく、よく言われたのは『歌わないでくれ』って。『セリフなんだよ。ライルが泣いているからもっと泣いてくれ』って」と歌唱力より演技力を重視したテストだったと振り返る。
役が決まった後も試行錯誤の連続。オリジナル版でライルの声を担当したショーン・メンデスは声が高いため、高音の練習も不可欠だったと大泉。「(過去に)マイケル(・ジャクソン)の声真似を(芸として)していなかったらたぶんダメでした」と述べ、「ライルの登場シーンは、ほぼほぼマイケルでした」と話して笑いを誘った。大泉は壇上でマイケルのモノマネも披露しつつ、「こんなに一生懸命立ち向かった仕事は久しぶりです。(大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の)頼朝さんも月9(『元彼の遺言状』)の仕事も終わってこれ。ここに集中していました」と話していた。
壇上には日本語吹替版でハビエル・バルデム演じるヘクター役の声を担当する石丸幹二、コンスタンス・ウーが演じる少年ジョシュの母親・ミセス・プリム役の声を担当する水樹奈々も登壇。終盤には楽曲を担当したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが登壇者へ贈ったメッセージも紹介された。(取材・文:名鹿祥史)