目黒蓮の魅力とは？『わたしの幸せな結婚』監督感じた才能

　目黒蓮（Snow Man）の魅力を、映画『わたしの幸せな結婚』（3月17日公開）の塚原あゆ子監督が語った。

【画像】目黒蓮『わたしの幸せな結婚』で銀髪ロングヘア＆軍服姿！

　本作は、2019年に小説とコミックが刊行された顎木あくみの「わたしの幸せな結婚」を原作とするラブストーリー。大正ロマンを思わせる架空の世界を舞台に、ある宿命をもつ家系に生まれ、能力のなさや生い立ちゆえに家族から虐げられてきたヒロイン・斎森美世（今田美桜）が、心を閉ざした冷酷な軍隊長・久堂清霞（目黒）と出会い、その人を愛することで、新たな運命を切り開いていく。

　主演の目黒が演じる清霞は、災いから国を守る若き陸軍対異特殊部隊・隊長という役どころ。美しいが冷酷無慈悲で、数多の婚約者候補が三日も持たずに逃げ出したという噂も。しかし、美世の心遣いに触れ、少しずつ心を開いていく。

　目黒とは初めてタッグを組んだ塚原監督は、目黒に対して「真面目」という印象を持ったそうだ。「目黒くん自体が、ちょっと清霞っぽいところがありました。朴訥な感じもあるし、すごく不器用なところもある。寡黙で、思ったことをちょっと溜めてから喋るところも含めて、この役をやるであろう人物なんだなと。ピッタリだなと思いました」

　監督は、清霞というキャラクターについて、目黒とはあまり話をしなかったという。その理由を「オリジナルだとかなり話さないといけないのですが、キャラクターは原作にあるので、それを読み込んだあとにズレるということはほぼないんです。小説もあって漫画もあるので、違うなと思ったら『それでいい？』と聞きますが、違わなかった」と語る。

　それでも撮影現場では、清霞としての動きを確認したこともあったようで、「漫画の感じの照れであったり、女の子が来たときの身体の体勢については話をしました。現代人だから、女性が近くに来たときにちょっと構える、といったことはあまりないですよね。でも、あの時代、清霞の人柄だとあまり周りに女性がいない、（久堂家のお手伝いである）ゆり江くらい。だとすると、若い女の子が来たときに、どれくらいの距離感なのかとか、触るにしてもどう触るのかという話をしました」と振り返る。

　また、清霞の直属の部下で右腕的存在の五道佳斗役の前田旺志郎と目黒は、劇中で名コンビっぷりを発揮。撮影では、「目黒くんが刀を抜くシーンのときに、前田くんが『すげー、かっこいいな！　おれもこういうのやりたいな』と目黒くんに言っていて、目黒くんが『俺なんかちゃんとやれてないのに』って言っているのを見て、なにをやってるんだろう2人ともって（笑）」と2人のやり取りに思わず笑ってしまったと明かす。

　「初号の試写でも、前田くんに『どうだった？』と聞いたら、『目黒蓮カッコいいっすね～』って、自分のことじゃなくて（笑）。リスペクトがお互いある気がしました。前田くんは、歴々の素晴らしい監督との経験があって、彼ができている自然体な感じ、力の抜き方というのはすごく難しい。なにも考えないでいいんだ、という世界はわたしにとっても憧れなので、そういったところを目黒くんはよく見ていたと思います」と分析する。

　目黒といえば、2022年後半から『月の満ち欠け』、ドラマ「silent」「舞いあがれ！」と俳優として飛ぶ鳥を落とす勢い。本作の撮影は約1年前であるが、監督はブレイク目前だった目黒の魅力をどう感じていたのだろうか。「真面目で真摯だから、俳優を飽きずにやりそうだなと思いました。飽きないというのは才能なんです。同じような役をやり続けないといけない年齢もあるでしょうし、お芝居をするということに飽きる可能性もある。どんな仕事でも、5～6年経つとルーティンになって、『これをずっとやってるの？』とわかった感じになり、つまらなくなる。もしもそうなった場合でも、真面目だから自分なりの解釈で超えてきそうだなと」と目黒の真面目な姿勢を称賛する。

　「自分がわからなくなって思い詰めがちな人と、『そういう時期なんだ』と自分で自分のモチベーションをコントロールできる人、世の中に二択いるんですが、目黒くんは後者だなと。すばらしい才能なので、社会人として、かつ俳優として錆びない努力ができそうだなというふうに思いました」とべた褒め。今後の目黒の活躍にさらなる期待が高まるばかりだ。（編集部・梅山富美子）