劇場版『ガンダムSEED』新キャラは“明るいキラ・ヤマト” 福田監督がネタバレ寸前の解説
劇場版『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』の公開を記念したイベント「機動戦士ガンダムSEED FESTIVAL FESTIVAL~CONNECT あの時代(とき)を越えて~」が19日に文京シビックホールで行われ、メインキャストの保志総一朗(キラ・ヤマト役)、田中理恵(ラクス・クライン役)、石田彰(アスラン・ザラ役)、鈴村健一(シン・アスカ役)、下野紘(オルフェ・ラム・タオ役)が謎に包まれている完全新作について語った。イベントでは、監督を務めた福田己津央からのビデオメッセージも上映された。
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「機動戦士ガンダムSEED」は、遺伝子調整がおこなわれた人類(コーディネイター)とそうでない人類(ナチュラル)が対立するC.E.(コズミック・イラ)を舞台に、軍事組織ザフトと地球連合軍の終わりなき戦いを描いた人気シリーズ。劇場版は、アニメ続編「ガンダムSEED DESTINY」より後のコズミック・イラ(C.E.)75年が舞台となり、世界平和監視機構「コンパス」に所属するキラ・ヤマト、シン・アスカたちの新たな物語が展開される。
20周年を迎えた「ガンダムSEED」シリーズを振り返る本イベントは、歴代主題歌を担当したT.M.Revolution(西川貴教)や玉置成実による生ライブ、2003年開催の「機動戦士ガンダムSEEDフェスティバル」で使用された台本などをもとに改めて行われた生アフレコ、登壇者によるトークセッションなど、2時間以上にわたるファン垂ぜんの内容に。会場には直撃世代のファンから、後追いで知ることとなった若いファンまで幅広い層が来場。大歓声の中ステージに上がったキャスト陣は「20年ぶりです!」「お待たせしました!」と口々に語るなど、感激を隠せない様子だった。
劇場版のアフレコはすでに終わっており、「物語は把握している」というキャスト陣だが、詳細な物語については箝口令(かんこうれい)が敷かれているため「多くは語れない」「どこまで話していいのか……」と戸惑いを隠せない様子。そんな中、新作を手がけた福田監督からのビデオメッセージが流れ、各キャラクターの描かれ方について監督が説明した。
まず、主人公・キラについて「良かったですよ。ボーッとしてるところがキラっぽかった。でもカッコいいところは決めてくれましたし、今回はキラが軸となってますけど、最初にちょっとほにゃららな感じとか、最後のほにゃららな感じは実に保志くんらしくて良かった」とネタバレ寸前のコメント。続いて、ラクスについて「今回は意外と自分の意志をハッキリと言う子に作ろうと思った。ただ、田中さんの中のラクスと齟齬(そご)があるといけないなと、事前にこうしてほしいとやりとりして、バッチリクリアしてくれた。もちろん、今までもラクスは好きでしたが、今回のラクスはより好きになりましたね」と解説した。
さらに、アスランについては「今回いろんな意味でカッコ良かったんで、いかにしてアスランを落とそうかと考えてました。ただそういうのを抜きにしても、純粋にカッコいいところを出して。良かったでしょ、石田くんらしくて」と意味深な笑みを浮かべる。そして、シンについては「『DESTINY』の時は闇の部分を演じてもらったけど、本来、シンは明るくて素直な可愛い元気で明るくて楽しい子。そういう部分は表現できていて、鈴村さんの演技力はすばらしいなと思いました」と続けた。
下野ふんする新キャラクター・オルフェについては「一言でいうと、明るいキラなんですよね。キラってボソボソと辛気くさいしゃべりなんですけど、下野さんはその辺が完璧なんですよ。叫んでも負けてないし、明るさがあるので、王子様としての部分もしっかりやれたと思いますし、いろんな意味で好きですね」と明かした。
福田監督のビデオメッセージを聞いていた保志は「我々が口をつむいでいた部分を、監督が一番しゃべってるね」とコメントし、笑いを誘いながらも「キラっぽいと言ってもらってうれしかった」と笑顔を見せた。
田中が「今までで一番前に出るラクスを演じないといけないので、『SEED』『DESTINY』のラクスではないです」と明かすと、石田も「監督が失笑しながらカッコいいと言ってくれたのはありがたいですけど、『いかに落とすか』と言っていましたよね……。僕はカッコいいだけでいいと思いますけど、皆さんはその方(落とした方)が楽しめるので。劇場公開されたらそっちも楽しんでいただけたら」と笑ってみせた。
「DESTINY」では闇堕ちキャラだったシンについて、鈴村は「本来はわりと天真爛漫で、最初の設定では普通の明るい男の子と言われてたのを覚えています」と述懐。「『FREEDOM』ではどういう風に描かれているのか。予告を観た皆さんから『あいつだけあいさつしてない』とか言われてたから、シンはそういうところあるんだよなと思ってニヤニヤしてましたが……でもそういうところを描きつつ、根が素直だから。今思った感情のまま動いちゃうから、というのを大事に演じました」と力を込めた。
そして、オルフェを演じた下野は「明るいキラ・ヤマトと言われていましたね。何を言わんとするかは僕の胸にしまっておきたい叫びも、負けてないと言われていましたけど、叫びます。はたして誰と負けてないのかは、劇場で確認してもらえたら」とコメント。詳細を含めて謎に包まれている本作だが、キャスト陣が明かしたヒントの数々に、会場の「SEED」ファンも熱心に耳を傾けていた。(取材・文:壬生智裕)
『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』は2024年1月26日全国公開