アウシュビッツ収容所の隣で家族が平和に暮らす…A24『関心領域』予告編が公開
『ミッドサマー』などのA24が製作し、アウシュビッツ強制収容所の隣で幸せに暮らす家族を描くいた映画『関心領域』(5月24日全国公開)の予告編が公開された。
1945年、アウシュビッツ収容所と壁一枚隔てた屋敷で幸せに暮らす、収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグら家族の生活を描く本作。予告編に映し出されるのは、青空の下、美しい芝生の庭で憩いの時をすごす家族の姿。しかし、子供たちの楽しげな声が聴こえてくるような平和な景色には、灰色の煙が立ち上る収容所が。ポスタービジュアルでは、本来収容所が写っているはずの壁の向こう側が、漆黒に塗りつぶされている。
イギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』のジョナサン・グレイザー監督が10年の歳月をかけて映画化。映画の原題でもある「The Zone of Interest」とは、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所群を取り囲む、40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉だという。
第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。ナチス家庭の妻、ヘドウィグ役は、同じ年のカンヌで最高賞・パルムドールを受賞した『落下の解剖学』(公開中)の主人公を演じたザンドラ・ヒュラーが務めている。
さらに本作は、トロント映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など各地の映画賞を騒がせ、第81回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネート、第77回英国アカデミー賞では英国作品賞、非英語映画賞、音響賞を受賞、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の計5部門でノミネートされている。(編集部・入倉功一)
映画『関心領域』は5月24日より新宿ピカデリー、TOHOシネマズシャンテほか全国公開