『君たちはどう生きるか』ジブリ10年ぶりの最優秀アニメーション作品賞
第47回日本アカデミー賞
第47回日本アカデミー賞授賞式が8日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われ、スタジオジブリの宮崎駿(崎はたつさき)監督作『君たちはどう生きるか』が最優秀アニメーション作品賞に輝いた。同部門は2007年に創設され、宮崎監督にとっては、第32回の『崖の上のポニョ』(2008)、第37回の『風立ちぬ』(2013)以来3度目、ジブリにとっても10年ぶりの最優秀賞となった。
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『君たちはどう生きるか』は、宮崎監督が引退撤回後、『風立ちぬ』以来10年ぶりに発表した新作長編。作品に関する情報をほぼ明かない宣伝手法をとり、公開後にボイスキャストとして山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉らの参加が判明して話題を呼んだ。
スタジオを代表してブロンズを受け取った、スタジオジブリの執行役員・野中晋輔氏は、『風立ちぬ』から10年を経て完成した本作について「鈴木敏夫プロデューサーは、いつもですと2~3年で作っているところを、今回は完成の時期を決めないで作るということをやりました。なるだけ、宮崎監督に自由に作ってもらおうということなんですね」と明かし「監督自身、『終わらない作品じゃないかと思った』ということを言ったりしてましたけど、結局、7年かけて完成しました。それが、こうして栄誉ある賞をいただけたことは、本当にありがたいことだと思います」と感謝。また、劇中で青サギの声を担当した菅田も登壇し「キャストを代表して、ありがとうございます」と述べた。
昨年12月にアメリカで公開され、全米週末興行収入ランキングで第1位を獲得する快挙を達成。作品への評価も高く、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、ゴールデン・グローブ賞などのアニメーション部門を制し、第77回英国アカデミー賞(BAFTA)では日本作品として初めてアニメ映画賞を受賞。現地時間10日に授賞式が控える、第96回アカデミー賞でも長編アニメ映画賞にノミネートされており、大本命の一本と目されている。
そのほか同部門では『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『窓ぎわのトットちゃん』『名探偵コナン 黒鉄の魚影(くろがねのサブマリン)』『BLUE GIANT』が優秀作品賞を受賞した。(編集部・入倉功一)