クイーンズ・オブ・フィールド (2019):映画短評
クイーンズ・オブ・フィールド (2019)ライター2人の平均評価: 3.5
サッカーのボールもダメ亭主のキ〇タマも蹴り上げろ!
乱闘騒ぎで監督以外の選手全員が出場停止処分を食らったサッカー・チーム。この危機を救わねば!と妻や娘たちが立ち上がり、女子チームを結成してリーグ戦を続けようとするものの、伝統あるサッカーを女がやるなんてけしからん!妻が家の外へ出たら浮気するに決まってる!やっぱ子育てや家事なんて男には無理!とばかりに、本来なら味方であるはずの旦那たちが、あの手この手で女子チームの足を引っ張ろうとする。普段は良き夫であり良き父親である男たちの、いざという時に露呈してしまう愚かな本音を皮肉りつつ、そんな偏見や差別意識をものともせず、サッカーのボールもダメ亭主のキ〇タマも蹴り上げていく女性たちの成長と活躍が痛快だ。
サッカーを愛する気持ちはジェンダーレス!
愛するサッカー・チームを救おうと選手の妻やJKが立ち上がるのに、男性陣は女性の助けは不要と頑な!? 展開も着地点も予想はつくが、男女間の溝や意見の違いを埋めていく過程がユーモラスに描かれ、好感度大。非協力的な男性陣に女性がキレる場面もあるが、肝心なのは競技経験もない彼女たちが友情を培い、悩みながらも目的達成のために心身の汗を流すこと。男性側が呆れるほど幼稚な妨害をするが、「俺らの縄張りを荒らしてくれるな」というマーキング心理がわからんでもない。というふうに旧弊な考え方は一朝一夕では変えられないが、「好き」なことを実行して輝くのにジェンダーは関係ない。これは親子で見てほしいな。