コンペティション部門15作品紹介
第22回東京国際映画祭
10月17日から第22回東京国際映画祭が開幕! コンペティション国際審査委員長は第59回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が務め、世界各国から集まった15作品を審査する。
コンペティション部門 - In Competition
『ACACIA』
- 製作国:
- 日本
- 監 督:
- 辻 仁成
- ストーリー
- 元プロレスラーの大魔神は、今では港町にある団地の用心棒として暮らしていた。彼の唯一の後悔は、現役時代に息子との時間を十分にとれなかったこと。そんなある日、彼の元に突然タクロウという 少年が転がり込んで来る。
- ここに注目!
- 作家・辻仁成が監督として映画『目下の恋人』以来6年ぶりに発表した心温まるヒューマン・ドラマ。アントニオ猪木が本作で俳優としてスクリーンデビューを飾り、心優しい元プロレスラーという、自身を投影したような主人公を演じ切る。監督のわが子への思いが濃縮されているという渾身(こんしん)の1作。本映画祭がワールド・プレミア上映となる。
© 2008『ACACIA』製作委員会
『ダーク・ハウス/暗い家』
- 製作国:
- ポーランド
- 監 督:
- ヴォイテク・スマルゾフスキ
- 出 演:
- アルカデュシ・ヤクビク、マリアン・ジエドジエル、バルトウォミエイ・トパ
- ストーリー
- 1978年、ポーランドの田舎町の農家で凄惨(せいさん)な事件が起きる。その4年後、戒厳令下にある同国の警察はいまだ未解決のその事件の再捜査を始める。ムルズ警部補はすぐに上司たちの不穏な動きに気付くが……。
- ここに注目!
- 2004年には映画『WESELE』でロカルノ国際映画祭ヤング審査員賞に選ばれた、ポーランドのヴォイテク・スマルゾフスキ監督による犯罪サスペンスドラマ。とある片田舎で起きた物騒な事件をめぐり、さまざまな人々の思惑が入り乱れる様子をスリリングに描く。今回本映画祭でインターナショナル・プレミアを飾る。
© Film It Sp. z o.o., SPI International Polska Sp. z o.o. 2009
『イースタン・プレイ』
東京 サクラ グランプリ | 最優秀監督賞 | 最優秀男優賞
- 製作国:
- ブルガリア
- 監 督:
- カメン・カレフ
- 出 演:
- フリスト・フリストフ、オヴァネス・ドゥロシャン、サーデット・ウシュル・アクソイ
- ストーリー
- ある日、元アルコール依存症だった画家の兄と弟が再会する。音信が途絶えていた間に弟はネオナチグループに入り、兄はトルコ人家族の救出にかかわることに。彼らは人種差別をめぐって正反対の立場につくことになる。
- ここに注目!
- ブルガリアの期待の新人監督、カメン・カレフが初めて長編作品のメガホンをとった重厚な人間ドラマ。かつてアルコール依存症だった兄と弟の再会を軸に、まったく異なるスタンスで生きる彼らを取り巻く厳しい現実を切り取る。今映画祭がアジアン・プレミアとなる、国内ではなかなか観られないブルガリア映画をここでチェック!
『エイト・タイムズ・アップ』
最優秀女優賞
- 製作国:
- フランス
- 監 督:
- グザビ・モリア
- ストーリー
- エルザは就職活動をするもののなかなか定職が見つからず、アルバイト生活を送っていた。だが、そんなある日、彼女は突然アパートの退去を迫られる。エルザは仕方なく無職の隣人マチューを頼るのだが……。
- ここに注目!
- 映画『ぼくの大切なともだち』などのフランスの個性派女優、ジュリー・ガイエが主演と共同プロデュースを担当する人生応援歌。定職もお金も家も失ってしまった女性の、ほんのつかの間の人生の小休止を生き生きと見せる。七転び八起きという、日本のことわざと同じ意味深な英題も小粋な、元気をもらえる感動作。本映画祭がアジアン・プレミア上映となる。
『永遠の天』
- 製作国:
- 中国
- 監 督:
- リー・ファンファン
- 出 演:
- リウ・ドン、フアン・ミン、シー・クー
- ストーリー
- 両親を亡くした少女は、この世には永遠に続くものなどないと悟る。やがて彼女自身も成長するものの、心の中にはしこりのようなものが残っていた。恋をし、社会人として働きながらもどこか満たされず……。
- ここに注目!
- テレビドラマの脚本家としても活躍するリー・ファンファンが、脚本と編集、プロデュースも手掛けた初長編作品。1990年代の中国を舞台に、近代化の波の中で必死に生きる少女の成長をつづる。SARS騒動や北京オリンピックなどの近代中国の劇的な変化を、現代の若者たちの視点でとらえたドラマが斬新で印象に残る。本映画祭がワールド・プレミア上映となる。
© 2009 Dreams of Dragon Picture
『マニラ・スカイ』
- 製作国:
- フィリピン
- 監 督:
- レイモンド・レッド
- 出 演:
- ラウル・アレリャーノ、ジョン・アルシリヤ、ロニー・ラザロ
- ストーリー
- フィリピンの田舎から、男は夢と希望を抱いて大都会マニラへとやって来る。だが、仕事は思ったようにうまくいかず、結局は職を失ってしまう。追い詰められた男は、アマチュア強盗団の一味になるしかなかった。
- ここに注目!
- フィリピンインディペンデント映画の草分け的存在、レイモンド・レッド監督による硬派な社会派映画。実話を基に、田舎から出て来た平凡な男が大都会で次第に自分を見失っていく姿を追いかける。2000年に映画『Anino』でカンヌ国際映画祭の短編部門で最高賞のパルム・ドールを受賞した監督の、鮮やかな演出に注目! 本映画祭がワールド・プレミア上映となる。
© 2009 PelikulaRed
『見まちがう人たち』
- 製作国:
- チリ、ポルトガル、フランス
- 監 督:
- クリスチャン・ヒメネス
- 出 演:
- パオラ・ラトゥス、グレゴリー・コーエン、イヴァン・アルバレス・デ・アラジャ
- ストーリー
- 冬のチリ郊外の街、ヴァルディヴィアのショッピングセンターで、警備員の男は美ぼうの窃盗犯に心奪われる。一方、ある男性は失業に備えてのトレーニング中。そして盲目のスキーヤーは視力回復手術を受け……。
- ここに注目!
- チリで脚本家や俳優としても活躍するクリスチャン・ヒメネスがメガホンをとり、初の長編に挑んだパンチの効いたコメディー群像劇。郊外の巨大ショッピングモールを舞台に迷走する、個性的な面々の様子を活写する。その面構えもユーモラスでチャーミングなチリの俳優たちのオフビートなラテンのノリに癒される。本映画祭がアジアン・プレミア上映となる。
『激情』
審査員特別賞
- 製作国:
- スペイン、コロンビア
- 監 督:
- セバスチャン・コルデロ
- 出 演:
- グスタボ・サンチェス・パラ、マルチナ・ガルシア、コンチャ・ベラスコ
- ストーリー
- 建築現場で働く移民の青年は、数日間恋人が住み込みで家政婦をしているアパートに転がり込む。だが、彼はささいな口論から現場監督を殺害してしまう。再び恋人のアパートに戻った青年は屋根裏に忍び込み……。
- ここに注目!
- 映画『パンズ・ラビリンス』などのメキシコの鬼才、ギレルモ・デル・トロがプロデュースしたサスペンスフルな恋愛劇。スペインの古色蒼然(そうぜん)とした屋敷に潜む謎を偶然発見した男の苦難を描く。エクアドル出身の新鋭、映画『タブロイド』のセバスチャン・コルデロ監督による、ラテンの血がたぎる背徳のドラマに目が釘付け! 本映画祭がアジアン・プレミア上映となる。
© Telecinco Cinema S.A.U, Producciones Rabia LTDA, Think Studio S.L
『ロード、ムービー』
- 製作国:
- インド、アメリカ
- 監 督:
- デーウ・ベネガル
- 出 演:
- アバイ・デオル、サティーシュ・カウシク、タニシュター・チャタルジー
- ストーリー
- 父の仕事を継ぐことから逃げ、旅をすることを決めたヴィシュヌ。かつて移動しながら映画を興行していたオンボロトラックで、海を目指し砂漠を走る。道中、さまざまな人に出会ったヴィシュヌは、ひょんなことから村々で映画を上映することに……。
- ここに注目!
- インド・インディペンデント映画界の注目株、デーウ・ベネガル監督作。音楽には映画『イントゥ・ザ・ワイルド』でゴールデングローブ賞にノミネートされたマイケル・ブルック、撮影に映画『ライフ・イズ・ア・ミラクル』のミッシェル・アマチューを起用し、インド映画の伝統とは一線を画す現代的センスとともに、そのインド映画へのオマージュとがひとつに重なり合い、時空を超える旅が感動的に繰り広げられる。本映画祭がアジアン・プレミア上映となる。
© 2009 The Indian Film Company & August Entertainment, All rights reserved.
『台北に舞う雪』
- 製作国:
- 中国、日本、香港、台湾
- 監 督:
- フォ・ジェンチイ
- ストーリー
- 突然、声が出なくなった人気歌手のメイ。プロデューサーに捨てられたくないとの思いから、そのまま姿を消してしまう。メイは台北の下町でひっそり暮らし、青年モウと親しくなるが、しばらくするとマスコミがメイの行方を嗅ぎ付け……。
- ここに注目!
- 2003年、本映画祭のコンペ部門で映画『故郷の香り』がグランプリを受賞し、香川照之に最優秀男優賞をもたらしたフォ・ジェンチイ監督の最新作。中国、香港、台湾、そして日本のスタッフが合流し、切ない恋愛ストーリーをつくり出した。主演は映画『暗いところで待ち合わせ』で田中麗奈と共演し、日本でも人気のあるチェン・ボーリン。デビュー時のチャン・ツィイー似のかれんな美少女、ヒロインのトン・ヤオにも注目。本映画祭がワールド・プレミア上映となる。
『ボリビア南方の地区にて』
- 製作国:
- ボリビア
- 監 督:
- フアン・カルロス・ヴァルディヴィア
- 出 演:
- ニノン・デル・カスティーヨ、ニコラス・フェルナンデス、パスクアル・ロアイサ
- ストーリー
- ボリビアの首都ラパスでは、リッチな人たちは丘の上ではなく、南の低地に暮らしている。そんな高級住宅地の邸宅に3人の子どもと暮らすカロラにとって、バブル景気にわく快適で素晴らしい日々はいつまでも続くものと思われたのだが……。
- ここに注目!
- 母国ボリビアならびにメキシコで活動するファン・カルロス・ヴァルディヴィア監督は、2005年に製作した映画『アメリカン・ビザ』(英題)でアカデミー賞外国語映画賞ボリビア代表に選ばれる実力派。日本ではなじみの薄いボリビア映画だが、映像集団ウカマウなど独自の映画文化を発展させた土地。そんなめったにお目にかかれないボリビア映画というだけでも一見の価値あり。本映画祭がワールド・プレミア上映となる。
© Cinenomada
『NYスタテンアイランド物語』
- 製作国:
- アメリカ
- 監 督:
- ジェームズ・デモナコ
- ストーリー
- スタテンアイランドに住むサリーは、生まれてくる息子のためマフィアのボス、パーミー・タルゾの金庫を狙う計画を立てていた。そのパーミーはなぜか慈善活動に目覚め、さらにはろうあの総菜屋ジャスパーはマフィアにとってきわめて重要な仕事をしていた。
© 2008 WHY NOT PRODUCTIONS - EUROPACORP
『ストーリーズ』
- 製作国:
- スペイン
- 監 督:
- マリオ・イグレシアス
- 出 演:
- コンセプシオン・ゴンサレス、ルイス・カジェホ、ジャゴ・プレサ
- ストーリー
- 平凡な主婦としての生活を送りながら、小説を書いているロザリオ。彼女は夜になるとパニックを起こすため、セラピーを受けていた。セラピストに勧められて作品を出版社に持ち込んだロザリオだったが、あとからあとからわいてくる疑問に悩まされることになる。
- ここに注目!
- 2002年より短編映画を手掛け、2006年にはスペイン・オウレンスで開催されたインディペンデント映画祭で、長編デビュー作『De bares』(原題)で審査員賞を受賞したスペイン出身マリオ・イグレシアス監督作品。ひとりの主婦の現実をとらえるストーリーと、彼女が執筆する物語とが交錯し合う独特な世界観を堪能したい。本映画祭がインターナショナル・プレミア上映となる。
© matriuska
『テン・ウィンターズ』
- 製作国:
- イタリア、ロシア
- 監 督:
- ヴァレリオ・ミエーリ
- 出 演:
- イザベッラ・ラゴネーゼ、ミケーレ・リオンディーノ、グレン・ブラックホール
- ストーリー
- 1999年、冬のヴェネチア。ロシア文学を学ぶために都会へ出たカミラは、到着したその日にある青年と出会う。その青年、シルヴェストロはカミラを追うことを決意する。やがて恋が始まり、カミラはロシアに留学し、二人は近付いたり離れたりしながら10年の時が過ぎる。
- ここに注目!
- 本作が長編監督デビューとなった新進気鋭の監督ヴァレリオ・ミエーリ。イタリアのヴェネチア、そしてロシアのレニングラードを舞台に、カミラとシルヴェストロの出会いの日から10年にわたる友情、そして恋愛模様を瑞々しいタッチで描き出す。昨年、欧州中の映画から選ばれるヨーロッパ映画賞で、映画『ゴモラ』の撮影監督として最優秀撮影賞を受賞したマルコ・オノラートによる映像も見どころのひとつ。本映画祭がインターナショナル・プレミア上映となる。
『少年トロツキー』
観客賞
- 製作国:
- カナダ
- 監 督:
- ジェイコブ・ティアニー
- 出 演:
- ジェイ・バルチェル、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド、アンヌ・マリー・カデュー
- ストーリー
- レオンはモントリオール在住の高校生。自分が、ソ連の革命家、トロツキーの生まれ変わりだと思い込んでいる。レーニンを探し出し、できればアレクサンドラという名前の年上の妻をめとることが今の目標だ。ある日、ついにレオンは学校に革命を起こそうとするが……。
- ここに注目!
- 俳優から監督に転身したジェイコブ・ティアニーによる、カナダ発のおバカな青春ストーリー。ジェイ・バルチェルは映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』などに出演。映画『40歳の童貞男』のジャド・アパトー監督が演出するテレビドラマにも主演する新世代コメディー俳優をリードする存在で、ドリーム・ワークス製作の3Dアニメ映画『ハウ・トゥ・トレイン・ユア・ドラゴン』(原題)の主人公の声に抜てきされている。本映画祭がインターナショナル・プレミア上映となる。
© 2009 TROTSKY PRODUCTIONS INC.