山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • 明日に向かって笑え!
    庶民によるプチ正義の実現が痛快!
    ★★★★

    農協経営を望む庶民がなけなしの資産を出し合ったのに、いきなりの金融危機! しかし事前に情報を得ていた富裕層は、苦しむ庶民を横目に贅沢三昧。貧富の差が広がる日本の現状とそっくりで、ペソ暴落直前に銀行と組んで庶民のドル預金を略奪した弁護士への復讐に私の心もざわめく。元サッカー選手やペロニスタらが知恵を出し合って計画を練り、スパイ映画並みのお手並みも披露する。三人寄れば文殊の知恵なり。R・ダリン演じる主人公はじめ、強奪計画に参加する仲間は真っ当に生きている人ばかりで、白黒ハッキリした図式が爽快感を倍増させた。正直者が報われる時代ではない時代だからこそ、溜飲が下がる物語は一服の清涼剤となった!

  • ワイルド・スピード/ジェットブレイク
    父子関係も絡んで、どんどん壮大になるFFサーガ
    ★★★★★

    「お前はもう死んでいる」と言いたくなる過激なカーアクションや危険なスタントワークでファンの胸を熱くしてきたシリーズの最新作は、すべてがスケールアップ! 文字通り綱渡りの脱出劇や強力な磁気兵器(?)を使ったアクションが新鮮だし、今回は宇宙にまで飛び出してしまう。アンビリーバブル! テズとローマンが担当するお笑いパートがいい味出します。シリーズのもう一つの魅力であるFFファミリーの叙事詩には、主人公ドムと弟、その父親の関係も絡むし、そのうちドムとブライアンそれぞれの息子を主人公にした逸話が登場してもおかしくない勢い。物語が膨らむ一方で、Mr.ノーバディの行方が気になって仕方ない展開でした。

  • アウシュヴィッツ・レポート
    命懸けで同胞を救った人々の忍耐と勇気に敬服する
    ★★★★★

    終戦から76年がたつが、語り継がれる戦争秘話の重要性を実感する。機械的にユダヤ人を殺害していた収容所の実態を赤十字に報告したスロバキア系ユダヤ人青年アルフレートとヴァルターの実話は、勇敢な青年たちのスリリングな脱走劇はもちろん、収容所に残った同胞が味わった苦悩も詳細に描写。前者が善意の人に出会う一方、後者は激怒したナチスの兵士から残酷極まりない仕打ちを受ける。常軌を逸するほどに残酷になれる人間の本性が恐ろしい。まさに戦争が人間性を破壊する証拠だろう。収容所という名の地獄に耐えながら自身の命を賭して同胞を救った人々の勇気にただもう敬服する。

  • 返校 言葉が消えた日
    白色テロの残滓を精算せんとする青春ホラー
    ★★★★

    白色テロ時代を背景に、自由を求める若者の渇望や淡い恋心を描いた青春ホラーだ。夜の高校に閉じ込められた高校生男女が遭遇する恐怖の謎が徐々に解き明かされ、友人や家族でさえも信じられない状況で心のままに行動してしまった高校生の後悔へとつながる展開には切なさもある。中国国民党の強権政治下で人々が味わった苦しみの残滓を精算するかのようなドラマ部分が素晴らしく、ラストは涙ポトリ。物悲しげな表情で役柄に深みを与えた美少女W・ジンと本作がデビューのT・ジンファの繊細な表情演技に惹きつけられる。実は知人に教えられるまでゲーム原作とは知らなかったが、ストーリー性の高いゲームに多くの人がハマるのも納得。

  • ジャングル・クルーズ
    人気アトラクションの映画化は、子ども向きではないかも
    ★★★★★

    子ども向けアトラクションをメリハリのある冒険物語に仕上げた脚本家チームがまず素晴らしい。楽しそうにスタントをこなすE・ブラントやコメディ演技が光るロック様はじめ配役も豪華だし、美術や衣装も特撮も凝っていて、さすがはディズニー映画。ファミリー向け映画をJ・コレット=セラ監督が手がける時点で想定外のケミストリーが生まれる予感はあったが、残酷なシーンもあるし、呪われた集団が『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのデイヴィ・ジョーンズよりグロく、怖すぎ。小さい子どもは泣くかも。個人的には、ドイツ皇帝の御曹司を演じるJ・プレモンスから目が離せず。邪悪さと馬鹿さが混合したキャラ作り、大成功!

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