山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

« Prev 全1,179件中81~85件を表示しています。 Next »
  • 王の願い ハングルの始まり
    知識は力なりと実感できる歴史ドラマ
    ★★★★★

    今なお尊敬されている朝鮮王朝の第4代国王、世宗の功績であるハングル創製をドラマティックに描き、知識は力なりと実感する。王の発案である文字創製が官僚や両班の猛反発を食らうのは、漢字の読み書きは彼らの特権だから。しかも王の考えを実践するのが身分の低い仏僧なのがまた反感を買う。身分制度は弊害しか生まないな。王の葛藤やハングル作りを巡る両サイドの深謀遠慮が見どころ。糖尿病で息も絶え絶えになりながら庶民の生活向上に貢献しようと頑張る王役のソン・ガンホも僧侶を演じる知性派俳優パク・ヘイルも安定の熱演だ。『愛不時』のタン・ジュンサンが役者としても成長した好演で二人をサポートする。

  • ピーターラビット2/バーナバスの誘惑
    湖水地方のウサギVS都会のウサギ
    ★★★★★

    イソップ寓話からヒントを得たような物語で、ピーターの成長と家族愛が描かれる。愛するビーと宿敵トマスの結婚を受け入れたピーターだが、トマスの勘違いで関係がこじれ、ロンドンに生きる野良うさぎの仲間入り!? 相変わらずトラブルメーカーなピーターが巻き起こす騒動はお約束だが、やっぱり笑える。商業主義の弊害や名声が生む弊害、ストリート生活の厳しさといった我々が直面する問題も提起される御伽噺らしからぬ展開だし、後半はハイスト映画の趣きもあり、12歳以下の観客はハラハラドキドキだろう。CGのピーターたちは前作よりもふもふ度UPしているし、シュガーハイになるカトンテールが超絶キュート。

  • いとみち
    他者との関わりの大切さがよくわかる青春映画
    ★★★★

    祖母仕込みの津軽弁のせいでおしゃべりが苦手な女子高生いとがバイトをきっかけに世界を広げていく。自分が何者かわからない思春期特有のもやもやを拗らせている少女の鬱屈を解いていくのは、それぞれに悩みを抱え、壁にぶち当たっている普通の人々だ。貧困や夢の崩壊などを恐れながらも必死に生きるバイト先の先輩や初めてできた友人との交流でヒロインが成長するさまは、好感度大! いとをめぐるシスターフッド的な関係は、横浜監督のこだわりだろう。自分の殻に閉じこもっていては人々への共感などができないわけで、コロナ禍でソーシャル・ディスタンスの時代だけど、他者との関わりって本当に大切と思わせる作品だ。

  • 共謀者
    精神的には犯罪の片棒を担いだ気分になります
    ★★★★

    数年前、「人生で必要な知恵は全て幼稚園の砂場で学んだ」がベストセラーになったが、本作の主人公ウェイジエは映画の知識を駆使して犯罪を隠蔽する。証拠隠滅はもちろん、勘違いを利用したアリバイ工作や警察の激しい尋問への準備万端! 『悪魔は誰だ』や『セブン』などがメンションされ、「1000件の事件を研究すれば犯罪は解決できる」と豪語する警察局長を打破するウェイジエのマニア力が実に痛快。被害者も実に悪辣だし、家族を守るために清濁合わせ飲むウェイジエ役のシャオ・ヤンの負け犬っぽい外観がプラスに作用し、精神的には彼と共謀している自分に気づくはず。映画マニアが彼を真似て事件を隠蔽しないか心配になった。

  • 1秒先の彼女
    おばさんも胸キュンしちゃった台湾ロマンス
    ★★★★★

    イケメンとデートのはずが、起きたら翌日だった!? 消えた“七夕情人説”の謎を探る女性シャオチーと、毎日手紙を出す謎の男性グアタイの恋の行方がファンタジックに描かれ、年甲斐もなく胸キュンしっぱなし。ポップ&キュートな映像や小洒落たラジオ描写、きも可愛いヤモリの精、流木と貝殻で作った相合い傘など台湾らしい小技が満載で泣けた! 恋を左右する時間理論は?だが、不器用にしか生きられない人の背中をそっと押すC・ユーシェン監督の優しさを感じる。ヒロインは美女ではないが、どんどん可愛く見えてくるから不思議。特に笑顔が爽やか。見終わった瞬間、緑豆トッピングの豆花が食べたくなりました。

« Prev 全1,179件中81~85件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク