相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』『探偵マーロウ』『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』他の劇場パンフレットに寄稿。「シネマスクエア」誌にて、正門良規さんに映画とその音楽について話を聞く連載を開始。

相馬 学 さんの映画短評

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  • ハンガー・ゲーム0
    シリーズの一貫性を保った理想的前日談
    ★★★★★

     大ヒットしたフランチャイズの前日談を原作に則って映画化。シリーズを撮り続けたF・ローレンスが監督を務めたこともあり、ドラマの一貫性にブレはない。

     シリーズの何十年も前の話だが、主人公はゲームに勝てそうもない少女。当時のゲームは建物内というプリミティブな設定。シリーズとの整合は取れているし、若い女性の戦いのドラマとしても歯応えがある。

     シリーズを見ていなくてもサバイバルストーリーとして楽しめるが、後に独裁者となる青年の物語であり、また“カットニス”“マネシカケス”などのキーワードはシリーズ経験者のイマジネーションを大いにくすぐるので、一作目だけでも見ておくことをオススメしたい。 

  • REBEL MOON − パート1:炎の子
    機械と自然、人はどちらに寄り添うべきか?
    ★★★★

     ひと言でいえば、『七人の侍』ミーツ『スター・ウォーズ』。この2作をこよなく愛するZ・スナイダー監督が、各々の要素を踏まえながら異なる地平へと導くSF大作。

     世界観は『スター・ウォーズ』的で、星から星へと舞台を変える冒険談。一緒に戦ってくれる仲間を集める物語は『七人の侍』で、その結束にアツくなる。

     スナイダー監督がドラマを通して描きたかったのは、人と自然の密な結びつき。悪党の側はハイテク文明を謳歌し、自然から遠く離れている。一方で、善玉である百姓連合は土地に根差し、手にした武器で戦う。その泥臭さが魅力。戦闘がクライマックスへと向かうパート2が待ち遠しい。

  • ティル
    風化させてはならない史実を伝え続けるということ
    ★★★★

     2022年に米国で制定されたエメット・ティル反リンチ法に名を刻む、人種差別の犠牲者の母親にスポットを当てた物語。

     屈託のない笑顔を母メイミーの記憶に残したまま、息子エメットは世を去った。その悲痛さに加え、息子の命を奪われたメイミーの折れない信念をたどる。決して笑わない彼女のクローズアップは、映像の、ひいては映画の重みそのものだ。

     人種問題を題材にした社会派ドラマは公民権運動が活発化して以来、延々と作られ続けてきたし、ヘイトクライムがなくならない限り今後も作られるだろう。こんな映画を作る必要のない、理想の世界は訪れるのだろうか? しっかり受け止めるべき力作。

  • ナポレオン
    英雄、皇帝、独裁者にして、小物
    ★★★★

     女性目線で人間の本質を問う、近年のR・スコットの歴史劇路線を踏襲。偉人でも独裁者でもない、ナポレオン像を浮かび上がらせる。

     最初の妻ジョゼフィーヌの視点がドラマの鍵となるが、自由奔放で挑発的でもある彼女のキャラが効いた。戦争に勝利しても、皇帝となってもナポレオンにつきまとう小物感は、そんなヒロインの存在の大きさからくるのだろう。

     合戦シーンはスコット作品らしく、どれもスベクタクル感十分。クライマックス、ワーテルローの戦いでの英国軍陣形のダイナミックな描写は『レッドクリフ』の戦闘描写を連想させ、ときめいた。

  • エクソシスト 信じる者
    レジェンドを配して、ホラーの王道を行く
    ★★★★

     『ハロウィン』の続編を現代に甦らせたD・G・グリーンが、次の題材に選んだ『エクソシスト』。悪魔祓いを行なう者が聖職者ではなく、前作の“経験者”であるという点が新しい。

     『ハロウィン』のJ・L・カーティスと同様にE・バースティンというレジェンドを扇の要に置くことでシリーズの筋を通し、なおかつホラーの強度を増すつくり。常識に収まらない悪魔の手ごわさが、ドラマを面白くする。

     結末の、ある種の残酷さもインパクトがあり、嬉しいサプライズの要素も含めて今後のサーガ展開に期待を抱かせる。2年後には作られそうな続編が早くも楽しみ。

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