リトル・ダンサー (2000):映画短評
リトル・ダンサー (2000)ありきたりのテーマなのに何度観てもテンション上がる傑作の証明
他人の価値観と違っても、本当にやりたいことに突き進むという、ある意味、ありきたりなテーマを、「ダンス」というビジュアル高揚要素と相まって、ここまでビビッドに伝えた功績は映画史でもトップクラス。その後、舞台ミュージカル化されたことで、感動とエンタメの美しき融合はさらに強化された。
なぜ踊るのかに対するビリーの答え、抑えきれない踊る衝動の爆発など、名セリフ、名シーンの洪水の中、2度目、3度目はビリーを支える大人たちのドラマが心にしみてくる。自らを犠牲にして、未来を次世代に託す。その集積としてのビリーと祖母の抱擁は嗚咽モノだ。J・ベルの一途さ、「もうちょっと観せてくれ」というラストの悶絶度も破格。
この短評にはネタバレを含んでいます