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ヴェルクマイスター・ハーモニー (2000):映画短評

ヴェルクマイスター・ハーモニー (2000)

6月29日公開 145分

ヴェルクマイスター・ハーモニー
平沢 薫

画面の中で動く影に目を引き寄せられる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』のタル・ベーラ監督の2000年製作映画の4Kレストア版が、2月24日から公開になる。

 タイトルのヴェルクマイスター音律とは、18世紀ドイツの音楽家が提唱した調律法のことだが、本作の中で登場人物がそれについて語る時、それは世界を認識する方法について語っているように聞こえる。映画は群衆がどのように動くものなのかを寓話的に描き、その中を、主人公がただ大きな目を驚愕しているかのように見開きながら、誰かの使い走りをして歩き回るさまを映し出す。

 影が目を引き寄せる映画でもあり、冒頭近く、町に到着したコンテナが壁面に落とす影が、大きくなり、獣のように背中を丸める。

この短評にはネタバレを含んでいます
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