サンキュー・スモーキング (2006):映画短評
サンキュー・スモーキング (2006)最高に痛快な社会派ブラックコメディ
ジェイソン・ライトマンのデビュー作は、今も彼の最高作。主人公の仕事がタバコ業界を弁護し、宣伝することというのが、すでにおもしろい。朝鮮戦争を戦った彼のボス(J・K・シモンズ)の「今じゃ中国が一番のお客様だよ。あんなに殺さなきゃよかった」など、とにかくセリフが絶妙。彼のお仲間である酒や銃の業界はもちろん、議員、記者、アメリカという国も、容赦なく風刺される。ハリウッドのトップエージェント(ロブ・ロウ)と彼の部下(アダム・ブロディ)は、誇張の中にも真実があってとりわけ笑った。痛快な脚本、絶妙なアンサンブルキャストが作り上げた、最高の社会派ブラックコメディだ。
この短評にはネタバレを含んでいます