グッド・バッド・ウィアード (2008):映画短評
グッド・バッド・ウィアード (2008)カッコいいことばっか追求するとココまでいくのだ。
ショットガンくるくる回して、どこからでも百発百中のチョン・ウソン。荒野を駈ける馬賊なのにいつも白シャツ黒スーツ、平然と人を殺める冷血漢イ・ビョンホン。ドブネズミのように姑息な三枚目、でも得体の知れないソン・ガンホ。「いい奴、悪い奴、変な奴」、結局みんなアウトロー。タイプは違えど脂の乗った演技派が、ゴビ砂漠を延々と疾駆する大追撃戦はモノ凄い(尾藤イサオやコステロもカヴァーした「悲しき願い」の引用も泣かせる)。原題からも判るようにプロトタイプはセルジオ・レオーネの『続・夕陽のガンマン』。各ショットのキレと冴えは計算されまくり、映画作家としてのキム・ジウンの完成を示す一作。
この短評にはネタバレを含んでいます