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月に囚われた男 (2009):映画短評

月に囚われた男 (2009)

2010年4月10日公開 97分

月に囚われた男
相馬 学

NO密なSFスリラーは、己の存在の意味を問う

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 圧倒的な孤独。そこに降りかかるアイデンティティの崩壊。そんなパーソナリティ・クライシスを、月面を舞台にして描いたSFスリラーのマスターピース。

 月面でたったひとり仕事をこなし、3年の任期を勤め上げようとしている男が直面した危機的状況は、スリリングなだけでなく、極めてミステリアス。そんな緊張感で引きつけつつ、自分の存在が何なのかを前向きに問いかける姿勢がイイ。

 D・ジョーンズ監督はご存知のとおりデビッド・ボウイのご子息だが、『2001年宇宙の旅』を連想させるビジュアルセンスは父譲りか。ボウイが歌う「スペース・オディティ」を聴いてから見ると寂寞感も倍増。自粛生活の孤独にもシミる!?

この短評にはネタバレを含んでいます
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