Flow (2024):映画短評
Flow (2024)過酷な世界をサバイブする動物の感覚が信じがたいレベルで伝わる
日常を生きてたら絶対に味わえない感覚を共有させるのがアニメーションの真髄なら、本作はその目的を軽々と達成する。
キャラは動物のみでセリフはゼロ。多少、擬人化された部分も各動物の習性に沿っており、ネコを中心に彼らの目線、気持ちで洪水など大自然の脅威を体感させる。このムードは斬新。
風景の中の動物の位置、それぞれの距離感などが計算された美しさで表現され、カメラの動きも鮮やか、かつダイナミックで酔わせる。動物ならではのユーモアも絶妙スパイスに。
人間は一切出てこないが人間たちが作ったであろう文化の形跡が無言のまま深いテーマを訴えてきたりも。監督はラトビア人。世界のアニメ文化レベルを知るうえで超必見。
この短評にはネタバレを含んでいます