モーターウェイ (2012):映画短評
モーターウェイ (2012)
『ドライヴ』に欠けていたモノがここにある!
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』に欠けていたモノ――それはクルマ愛だ。生き物のように鳴り響くエンジン音に排気音、そして(『ワイルド・スピード』とは違う意味の)運転テク。現代香港ノワールの雄、ジョニー・トー製作による本作にはそれらが詰まっている。
一流の逃がし屋と覆面パトカー隊員、暗闇の立体駐車場で展開される両者の攻防戦は、初めて『ザ・ミッション/非情の掟』の銃撃戦を見たときの衝撃を覚えるだろう。そして、主人公がエンジン8000回転、時速2キロで挑む、車1台分しかない直角クランクでのスピンターンには、『頭文字D』にも通じる走り屋美学を感じるだろう。
そのほか復讐劇、師弟愛、ラブストーリーといった、ドラマもキッチリ描かれたムダのない90分。計算し尽くされたライティングと音響効果、そして尋常じゃない緊張&ドライヴ感は、劇場でなければ体感できない!
この短評にはネタバレを含んでいます