ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して (2013):映画短評
ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して (2013)心のピースが埋め合わさらないもどかしさ。
デプレシャン映画によって世界に知られたといって過言ではない常連アマルリックと、クセの強さでは引けを取らないベニシオの強力タッグ実現だが…デプレシャン特有の感情の襞に食い込んでくるようなヒリヒリ感は今ひとつで、カウンセリング・セッションを重ねるたびに変容していくふたりの心の過程がざっくりとしか伝わってこないのがもどかしい。作家には個々人に適したリズムというのがあるものだし、本作もいつもみたいに3時間ほどあって良かったんじゃないか。さらに言えばデプレシャンとデジタルの質感は水と油だ。題材が題材だけにH.ショアの音楽がクローネンバーグ映画のように聴こえてくるのは面白いけど。
この短評にはネタバレを含んでいます