劇場版 ATARU-THE FIRST LOVE & THE LAST KILL- (2013):映画短評
劇場版 ATARU-THE FIRST LOVE & THE LAST KILL- (2013)“脱THE MOVIE”とは無縁の徹底したファンサービス
エンディングにドラマシリーズの主題歌が流れるように、『真夏の方程式』のような“脱THE MOVIE”な気負いはまったく感じさせない。今年1月に放送されたスペシャルドラマの続編だけに、簡単な設定は知らないと独特な世界観に入りにくいところもあるが、“ファンサービス=THE MOVIE”として見れば、及第点の仕上がりである。
意外にも、堀北真希が良かったりする。そんな堀北演じるダークヒロインは真奈美(小泉今日子)の姿と、松雪泰子演じるヤリ手管理官は沖田(真矢みき)の姿とカブるように、『踊る大捜査線』の影響は否定できない。だが、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『SAW』などのオマージュやら、復活を遂げた光宗薫と島崎遥香による“美女VS美魔女”バトルやら、テンポあるアニメ的演出(おかげで、北村一輝が「タイバニ」の虎徹にしか見えない)やらと、なんだかんだラストまで飽きさせないから侮れない。
ちなみに監督は堤幸彦組出身だけに、若干サムい小ネタやギャグもあるものの、暴走したら止まらない師に比べれば、まだまだ我慢できる程度だ。