ワレサ 連帯の男 (2013):映画短評
ワレサ 連帯の男 (2013)88歳でも瑞々しいアンジェイ・ワイダ監督の感性に敬服
ソ連支配下のポーランドで自主労組「連帯」を組織し、後に大統領となったレフ・ワレサ。自由と自治を求め続けたカリスマの人物像を、活動家としての顔と家庭人としての顔を交してあぶり出す構成が上手い。しかもワレサの弱さや矛盾をもきっちり描き、盲目的なお追従でないのは明らか。また反体制活動の場面に当時の映像をミックスさせ、力強い80年代ロックを流す攻撃的な演出がエネルギッシュで、見ているだけで体の内側から力が沸くのを感じる。これぞ映画の力なり。88歳とは思えないワイダ監督の瑞々しい感性に敬服する。「連帯」メンバーとしてワレサを支え、自由のために戦い続けるのを使命とするワイダ監督だからこそ作れた作品だ。
この短評にはネタバレを含んでいます