はなればなれに (2012):映画短評
はなればなれに (2012)雑誌「NYLON」のグラビアが頭に浮かんでしまった
タイトルからゴダールの変な影響を受けてたらヤダなと思いながら見始めたが、不思議な少女クロはじめとする登場人物3人の背景を最初にきっちり見せてくれるので安心する。だからこそカメラマン英斗の亡き叔父が所有していた海辺の旅館で彼らが共同生活を始めるくだりに違和感も感じず、淡々と進む非日常の世界に引き込まれていく。無機質というか生活感の無さが却って、あり得ない人間関係にリアリティをもらたしているのだ。まったく合理性のないロジックだが、そんな感じの物語。雑誌グラビアのような映像もこの映画にはぴったりマッチしていて、小洒落たカットに思わず「NYLON」ぽいとつぶやいてしまったよ。
この短評にはネタバレを含んでいます