アオハライド (2014):映画短評
アオハライド (2014)ライター2人の平均評価: 4
そろそろ違う三木孝浩も観てみたいところ。
「恋より友情派」などと心の声で叫びつつ、走って登校する本田翼の冒頭シーンだけで王道学園青春ものを期待させるが、そのままその道を歩む今どき珍しい映画だ。漫画的なクリシェで役割分担された友情クルーにもそれぞれ個性がしっかりあるのは、さすが手練れの三木孝浩。だが最大の美点は『ニシノユキヒコの恋と冒険』でも快演した本田翼の存在感、キラキラ目まぐるしく表情を変えつつシーンをパワフルに引っ張っていくさまに名コメディエンヌとしての未来を見る。ただ本作ではややオーバーアクト、もう少し演技をコントロールできる監督に鍛えられればさらに化けるはず。その点、病んだ異分子キャラ高畑充希がまだ上を行っているかな。
流行りの少女マンガ映画化、ここに極めたり。
『陽だまりの彼女』『ホットロード』と、高いハードルをクリアした三木孝浩監督が、ついに最高傑作を放った! しかも、少女マンガの実写化作品としてもベストの仕上がりだ。主人公2人の恋愛だけでなく、彼らを取り巻くクラスメイトの友情物語という原作の最重要ポイントを抑えながら、リーダース研修、文化祭といった、おなじみのエピソードがテンポよく展開。そして、クライマックスには脚色を加えながら、長崎での修学旅行を用意するという、既刊11巻まで網羅。恐ろしいほどキラキラしたキャストの好演も胸キュン要因だが、そんななか『僕等がいた』の有里にも匹敵するヒールキャラ・成海を演じる高畑充希のメンヘラ的演技に圧倒される。