近キョリ恋愛 (2014):映画短評
近キョリ恋愛 (2014)ライター2人の平均評価: 2
恐るべし、山Pマジック
『今日、恋をはじめます』から激アツな、ツンデレ系少女マンガの映画化。どれもあまりに似たプロットや展開に驚かされるが、今回は教師と生徒の関係。しかも、ヒロインまでもツンデレというところで、やや一線を画す。さらに、監督が『君に届け』という“いい仕事”経験アリの熊澤尚人ということで、ヒロイン・ゆにのエキセントリックさが、『君届』の爽子に通じるものを感じた。しかし、何はなくともエロP、いや山P。日常でアイドルを演じてる分、これまでツンデレキャラを演じた俳優に比べ、アドバンテージがあり、観てて寒くなるシーンも「アリっしょ?」と魅せてしまう魔力に脱帽だ。携帯没収も、あんな感じでやればよかったのにぃ…。
熊澤尚人にとって少女漫画は鬼門ではないか?
カップルが手を繋いで海辺を走る…正気の沙汰ではない。いまどきそんな映画を観ることになるとは思わなかったよ。いや、前半はまだいいのだ。ひたすらクールを気取りまくり、生々しい感情を表に出さない山P先生も案外いいし、いわんや小松菜奈は出色。好きになってしまったかも知れない先生の残り香を探るように机を触ったり、なんと授業前、教壇の下に隠れてキスをおねだりするシーンなど相当にエロい。ただし、ここを頂点に映画は崩落、感情的な芝居を要求されるようになった途端、山Pと小松との演技的温度差は広がるばかり。物語展開も幼稚で、結婚云々でモメるに至っては『おくさまは18歳』的解決を知らんのかと怒りたくなるね。