カラアゲ★USA (2014):映画短評
カラアゲ★USA (2014)ライター2人の平均評価: 1
地域が食い物にされてるよ。
真正面から地域と相対した「ご当地映画」は数少ないが、これもそんな映画だ。「宇佐」を英字にすると「USA」になるという、たったひとつの思いつきででっち上げたような物語は杜撰。黒人少女とともにアメリカから宇佐に帰ったヒロイン…それはまあ、いい。伝統の味を脅かす存在としてアメリカン・チキンを持って来たり(いつの時代だ?)、ヒロイン起死回生のレシピを黒人コックが考案したり(でも他とどう差別化された味なのかの描写はほぼ無し)、果ては宇佐にかつてあった特攻隊基地から飛び立った初恋の人を回想するおばあちゃん(渡辺美佐子)に「あの人に唐揚げを食べさせたかった」などと笑止千万な台詞を吐かせる神経は言語道断。
確かに唐揚げは美味しそうだけど
からあげ専門店発祥の地という大分県宇佐市を舞台にしたご当地ムービー。とりあえず美味しそうな鶏唐揚げは沢山出てくるけど、まあ、結局のところそれが全てと言えなくもない。
物語の大筋は2つ。からあげ店の娘なのに鶏肉が苦手というヒロインの跡取り奮闘記と、地元の伝統食からあげVS新興勢力フライドチキンの因縁バトル。“これからはフライドチキンの時代だ!”なんて、いったい何十年前のお話ですか!?と突っ込みたくなるが、だいたい全編に渡ってそんな調子が続いていく。
宇佐とUSAを引っ掛けた日米国際結婚問題など、無理矢理感のハンパない家族ドラマもキツい。英語のセリフも流暢にこなす高橋愛は頑張っているのだが。