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鬼灯さん家のアネキ (2014):映画短評

鬼灯さん家のアネキ (2014)

2014年9月6日公開 118分

鬼灯さん家のアネキ
(C) 2014『鬼灯さん家のアネキ』製作委員会

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

ミルクマン斉藤

ラブコメを駆逐する行き場のない無常観。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

これは佐藤かよの映画だ。図書室でレズに耽る女子二人を窃視する童貞・前野朋哉。ま、彼はこんな役演らせりゃ最高なのだが、そんな彼に絡んでくるのが同級生役の佐藤(もちろん女子役)…原作がどう脚色されているのか不勉強ながら知らないけれど、これを導入部とした時点で今泉力哉と片岡翔の意図は明らかだ。ただ、その意図をほぼ終盤までまったく感じさせぬまま、求められる『ピンクのカーテン』『くりぃむレモン』系の近親相姦的ラブコメを装いつつ、ある時点で物語が、すべて佐藤かよの視点(窓からの覗きや盗撮キャメラ含む)によって動かされていたことが判るのである。むろん“彼女”は魅力的に撮られていて、今後の活躍も大期待。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

前野朋哉ファンなら観なくちゃダメ絶対!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

原作漫画ファンには「えっ、ゴローちゃんがこの人(前野朋哉)!?」という意外な配役が最初のハードルになるだろうが、実際観たら確実に「アリ」→「最高」に変わると断言。これは『桐島、部活やめるってよ』でブレイクした前野(28歳)の、童貞男子高校生役の総決算(笑)というべき記念碑な一本なのだ!

彼の快演にターボをかけるアネキのハル役は谷桃子で、大らかさと繊細さのバランスが素晴らしい。監督の今泉力哉は、恋愛とコミュニケーションにおける自作と原作の主題的接点を足場にして(共同脚本は片岡翔)、巧く自分の個性と原作をブレンドした。素敵な変換だ。結果的に80年代のラブコメ系ロマンポルノを連想する人も多いはず。

この短評にはネタバレを含んでいます
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