劇場版 BiSキャノンボール 2014 (2014):映画短評
劇場版 BiSキャノンボール 2014 (2014)ライター2人の平均評価: 4
まず当分現れないだろうアイドル映画の鬼っ子。
あの「テレキャノ」の方法論をアイドル映画にそのまま援用するとは! まあ、アイドル映画としても社会モラル的にもギリギリなところだが(そのラインについての考察を、観る者に突きつけるのがテレキャノの神髄でもある)、BiSというグループがキワモノも辞さない路線だったからこそ生まれた怪作ではある。しかし「ホドロスキー好き」ってだけでここまでやるかと呆れつつも、結果的にエロに真摯なオジさんたちの可愛さ哀しさが表に出た格好。ところで、松尾隊長が「SDカードを失くした」というのは本当だったんだろうか? そこに収められた映像があまりにもラストシーンに相応しく、この野放図なドキュメントを物語性あるものにしている。
BiSなりの『ロックンロール・スウィンドル』
Summer,2014――『劇場版テレキャノ』のAV監督6人は、解散ライブ(www.cddata-mag.com/article/live/2014/07/11/17/07/43)直前のアイドルに挑んでいた。ルールに「スーパーボーナスポイント」がある時点で、アイドル・ドキュメンタリーの限界突破だ。その概要を知りながらライブに挑むメンバーの反応、レースどころじゃなくなった男たちの戦いっぷりから目が離せない。ちなみに「俺はアイドルを信じる」と言い放つマネージャーは、マルコム・マクラーレンの崇拝者。十分に「BiSなりの『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』」になったといえるだろう。