オズ めざせ!エメラルドの国へ (2014):映画短評
オズ めざせ!エメラルドの国へ (2014)ライター2人の平均評価: 3
その後のドロシーを描くミュージカル・アニメ
フランク・L・ボームによる続編ではなく、彼の孫の書いたドロシーの後日談。ブリキ男たちのSOSを受けたドロシーが、悪い魔女の弟ジェスターに支配されたオズの国を救うために舞い戻る。
ディズニーやピクサーに比べるとCGアニメのクオリティはだいぶ劣る。特に人間のキャラ造形が弱い。MGM版「オズの魔法使」のファンとしては、作画デザインにも不満は残る。
一方で、邪悪な道化師ジェスターやツンデレな陶器の女王などの新キャラは魅力的。「アナ雪」を意識したであろうリア・ミシェルやミーガン・ヒルティらの楽曲にも力が入っている。バーナデット・ピータースまで担ぎ出したのはミュージカル・ファンには嬉しい。
おとぎ話版ジョーカーみたいな道化師ジェスターが楽しい
「オズの魔法使い」の後で、ドロシーがお菓子の国や陶器の国を訪れる続編、注目なのはマーティン・ショートが声を担当した悪役キャラ、道化師ジェスター。魔女の弟で、姉の呪いで道化師の衣装が脱げなくなって性格が歪んだという設定で、中世の道化師の格好も狂躁的な行動も、バットマンのジョーカーとハーレクインの合体版。また、陶器製の少女は、サム・ライミ版のような現代っ子ではなく、高貴なお姫さまで、そのツンデレぶりが愛らしい。挿入歌もたっぷり。ドロシー役の「Glee!」のリア・ミシェルの美声は期待通りとして、マシュマロ製の保安官を演じる「ハンニバル」のヒュー・ダンシーが、意外な美声を披露するのも要チェック。