フェイス・オブ・ラブ (2013):映画短評
フェイス・オブ・ラブ (2013)ヒッチコックの『めまい』を彷彿させる偏執愛が怖い
監督の母親に起きた話が元ネタのようだが、アネット・ベニング演じるヒロインが狂気じみていて怖い。亡き夫に瓜二つの男性に接近し、親しくなり、失った時間を埋めるかのように振る舞う。監督がヒッチコックの『めまい』を意識しているのはチラリと映るポスターからも明らかだし、ヒロインの偏執愛にどう決着つけるのか非常にやきもきさせられた。はっきり言うとメロドラマな展開なのだが、ベニングとエド・ハリスの好演で救われている。特に素晴らしいのがハリスで、久々の恋に少年のように心ときめかす前半から終盤まで愛に一途な男性の情感たっぷり。偏執的なヒロインを熱演するベニングともども映画のランクを1段上げてくれた。
この短評にはネタバレを含んでいます