バードピープル (2014):映画短評
バードピープル (2014)空から世の中が、社会が見えてくる
街を歩く人や電車に乗る人など、ごくごく普通に暮らしている人間の心の声が聞こえてくるオープニング。娯楽とストレス狭間に立つ現代人のホンネを浮かび上がらせる、この時点で心をつかまれる。
窮屈な世界から抜け出したい、そんな思いに突き動かされるふたりの男女をクローズアップしつつ、物語は後半でファンタジーに転調。誰にも気づかれず、鳥のように舞って世界を俯瞰したときに見えるパノラマの、解放感と切なさは格別だ。
思索的なドラマだがユーモアを忘れず、チャーミングな印象を受ける好編。見ているうちに、不思議と飛行機に乗りたくなってくるのは筆者だけではないと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます