オオカミ少女と黒王子 (2016):映画短評
オオカミ少女と黒王子 (2016)ライター2人の平均評価: 3
二階堂ふみの超絶な愛らしさが最大の見どころ
いかにも胸キュンを狙った黒王子のドSな決めゼリフの数々といい、オオカミ少女の憎めないドジっ子ぶりといい、そんな物分りのいい男子高校生(しかも明らかに童貞で)いるわきゃねえだろっ!的な草食系の日下部君といい、良くも悪くも少女漫画原作らしい絵空事なのだが、それでも荒唐無稽になり過ぎないのはキャスティングの勝利だ。二階堂ふみの愛らしさは抜群だし、親友・門脇麦もいい味を出している。
しかし、恋愛シュミレーションゲームにしてもそうなんだけど、こういう分かりやすくキャラ化された恋愛ものにばかり憧れていると、現実の世界で恋愛なんて出来なくなっちゃうと思うのだがねえ…って完全に余計なお世話だな(笑)。
女優陣のキャスティングが魅力的
『L・DK』に比べ、貫録がついてきた山﨑賢人の黒王子っぷりもさることながら、やはり、ここはフツウの女子高生役を演っても、しっくりハマる二階堂ふみ。くるくると表情を変え、コメディエンヌっぷりを発揮する。しかも、友人役に門脇麦を配するなど、昨今の少女マンガ原作ものとは違うキャスティングが魅力的だ。妙に生真面目すぎる演出ゆえ、肝心の胸キュンにつながらない廣木隆一監督作という唯一の不安点に関しても、後半パートに若干不安が残るが、キャラの感情を抑えすぎたことが仇になった『ストロボ・エッジ』に比べれば全然マシ。熊澤尚人監督なら、名コンビである、まなべゆきこの脚本をもっと生かせた気がしないでもないが…。