女が眠る時 (2016):映画短評
女が眠る時 (2016)忽那汐里との“エロティックな関係”
『スモーク』でも、『ジョイ・ラック・クラブ』でも、ましてや『メイド・イン・マンハッタン』でもない。これは紛れもなく、ハードボイルドの名作『スラムダンス』のウェイン・ワン監督最新作というに相応しい。崖っぷちな主人公の職業はコミック作家から作家となり、一癖も二癖もある登場人物と出会う彼は、カオスのような日々を送ることになる。夢か現実か、その結末を含め、すべてを観客に委ねる、2016年の日本映画らしくないアート性の高さと、宮沢りえと噂されてた頃を思い出してしまう北野武の存在感。今回“エロティックな関係”となるファム・ファタール的役割を演じた忽那汐里には、ちょいと疑問を感じたものの、十分健闘している。
この短評にはネタバレを含んでいます