ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE (2015):映画短評
ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE (2015)ライター3人の平均評価: 3
人気バラエティ番組の映画版もこれなら大歓迎
ローカル路線バスのみを利用、というルールで3泊4日内に目的地に到達する番組は未見だが、映画版はすごぶる面白かった。舞台は台湾で、台風や悪天候によるバス運行停止などの仕込みも無理なトラブルが続々。昼ご飯もう1時間早く切り上げれば良かったね、なんて状況になって見ていてヤキモキするのもまた楽しい。通訳もいるが、基本的には怪しい中国語や英語を駆使して切り抜けていく旅人3人を応援しまくり。いや〜、それにしても、良く言えばマイペースだけど何も考えてなさそうな蛭子能収に切れない太川陽介の生真面目さに頭が下がる思い。人間の器を知るため、新入社員研修とかにこういう旅を取り入れるのもいいかも。
ゆるぎないテレ東スタイル
”劇場版”となると、余計なことをしがちだ。
とりあえず空撮とか、明らかに無駄な海外ロケとか、ザ・芸能界な大物ゲストの友情出演とか。
しかし、そこはテレ東。身の丈を知っている。
せいぜい台湾。マドンナは、海外でのブランド力を期待しての三船美佳。
むしろこれで勝負に出るとは。
余程の自信か?単なる無謀か?
だが、蛭子能収の予測不能の言動と奇跡を呼ぶ珍道中の破壊力は、あらゆる雑念を吹き飛ばす勢い。
予定調和な作品が闊歩する中、
本シリーズが約9年間も支持されている理由を再認識するだろう。
決して諦めない『KANO』魂!
スタート地点である台北で前説する太川陽介が着用してるTシャツは、伝説のロードムービー『エンドレス・サマー』。“終わらない夏”を求め、マドンナに三船美佳を迎えた3人は3泊4日で最南端ガランピ灯台まで行けるのか? 台風21号上陸寸前のなか、初っ端から高速に乗るハプニングに始まり、全線運休で完全足止めという最悪の展開に。観光スポットや地元グルメをスルーしても、とにかく前しか向かねえ状況下、蛭子さんお約束の地元民への暴言はもちろん、“世界のミフネ”の娘パワーを発揮させる場アリ、嘉義通過で『KANO』の高校球児の魂を注入したかのような胸アツな展開アリで、なんだかんだ119分見れてしまいます。